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ソフトバンク、投資会社の性格強まる 前期、営業最高益 10兆円ファンドの貢献大きく

2018/5/9 20:30
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ソフトバンクグループが投資会社としての性格を強めている。9日発表した2018年3月期の連結決算(国際会計基準)は、本業のもうけを示す営業利益が前の期比27%増の1兆3038億円と過去最高だった。昨年立ち上げた「10兆円ファンド」の運用が好調だ。ただその分、業績は売買の成績や出資する企業の株価の影響を大きく受けやすくなっている。

10兆円ファンドは正式には「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」という名称で、昨年5月にサウジアラビア政府など外部の投資家の資金も入れて設立した。18年3月期からソフトバンクの連結決算に加えている。投資対象は人工知能(AI)や自動運転、あらゆるモノがネットにつながるIoT分野の先端企業が中心。3月末時点で20社強に資金を投じている。

同ファンドは決算で四半期ごとに保有する株式の価値を時価で評価する。取得した時の原価と比べた増減分を損益としてソフトバンクの連結業績に取り込む。

前期は10兆円ファンドで3029億円の営業利益を計上した。5%弱を出資する画像処理半導体の米エヌビディア株が上昇して評価益をもたらしたことが大きい。事業別にみると、携帯電話など「国内通信」(6829億円)に次ぐ大きさだ。

ソフトバンクの収益構造はこの10年で大きく変わった。英ボーダフォン日本法人を買収した07年3月期、国内通信事業は営業利益の65%を占めていた。これが18年3月期は51%に下がった一方で、10兆円ファンドの比率は2割を超えた。

貸借対照表を見ると投資会社としての姿はさらに明白だ。総資産のうち同ファンドの投資は9%。これまでの企業投資などで計上した、のれんや無形資産を含めると総資産の45%にのぼる。

投資ビジネスは常に大きなリスクと背中あわせで、周辺からすると思わぬ損失が出やすい。前期も中国・アリババ集団株の売却に関わるデリバティブ取引で6301億円の損失を計上した。16年にいったん売却益を確定させたが、その後のアリババ株の上昇が損失をもたらした複雑な仕組みだ。

ソフトバンクの前期の連結売上高は9兆1587億円と、スマートフォン(スマホ)販売が伸び前の期より3%増えた。16年秋に買収した英半導体設計アーム・ホールディングスの売り上げも期初から加えている。

一方で最終的なもうけを示す純利益は27%減の1兆389億円。前の期に計上したフィンランド・スーパーセルなどの株式売却益がなくなった。

今後は子会社の米携帯4位スプリントが、2019年をめどに同3位TモバイルUSと経営統合することで連結対象から外れる。スプリントは2792億円(前の期比50%増)の営業利益を稼いでいた。ソフトバンクの投資会社としての色はさらに濃くなりそうだ。

10兆円ファンドには、これまでグループで投資していた米ウーバーテクノロジーズなどライドシェア企業の株式を移す方向だ。ソフトバンクの孫正義会長兼社長は9日の決算説明会で「月を追うにつれてファンドへの自信が深まっている」と話した。

通信会社の業績は景気に左右されにくい。ただソフトバンクはそれとはほど遠い、世界の金融市場の空模様をにらんだ収益構造へ変わっている。

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