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北朝鮮、対米で硬軟両様

【ソウル=鈴木壮太郎】6月初旬にも予定される米朝首脳会談を目前に、北朝鮮が米国に硬軟両様の姿勢を見せている。9日訪朝したポンペオ米国務長官と拘束した米国人の解放の協議に応じる一方、具体的な手法を巡って米朝で隔たりがある非核化を巡っては過敏に反発する。「融和」カードを切っても北朝鮮に要求するハードルを下げない米国への焦りも透ける。

北朝鮮には3人の韓国系米国人が拘束されている。韓国紙の文化日報によると、牧師出身のキム・ドンチョル氏は2015年10月、東北部の羅先で元軍人から核関連資料が入ったUSBメモリーとカメラを受け取った疑いで逮捕された。平壌科学技術大に勤務していたキム・サンドク氏とキム・ハクソン氏は政権に敵対的な行為をした容疑で抑留された。

「(米朝首脳会談の)日時と、抑留された米国人だ」。韓国大統領関係者は9日、ポンペオ氏が2つの成果を米国に持ち帰るとの見方を明らかにした。北朝鮮にとって米国人3人は「人質」。首脳会談の議題と日時の調整が終わり開催が確定して初めて手放せるカードだ。3人の解放はすなわち首脳会談の開催決定を意味するとの見立てだ。

こうした融和姿勢の一方、米国には反発姿勢も示す。朝鮮通信(東京)によると、朝鮮労働党機関紙の労働新聞(電子版)は9日付で「対話の雰囲気を壊す言動を慎むのが自身のためにも有益だ」と米国を非難した。完全な非核化を完了するまでは最大限の圧力を継続する構えを崩していないことへのけん制がある。

ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は8日、韓国と北朝鮮が核兵器の全廃で合意した1992年の「非核化共同宣言」を挙げ「北朝鮮がこの宣言に立ち戻れるか」との認識を示した。完全な非核化を改めて要求した。

一方の北朝鮮は4月27日の南北首脳会談で署名した「板門店宣言」で「完全な非核化」を明文化したものの、「目標」にとどめている。7~8日に訪中した金正恩(キム・ジョンウン)委員長も習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談で、非核化は「関係各国が北朝鮮への敵視政策をやめれば」と条件をつけた。米国の圧力をうけてもなお、段階的な非核化に固執しているようにみえる。

盧武鉉政権で国家安全保障会議の情報管理室長を務めた金正奉(キム・ジョンボン)氏は北朝鮮がこれまで対米批判を控えてきた北朝鮮が再び批判し始めたのは、「金正恩氏が訪中して北朝鮮支持の約束を取り付け、対米交渉で強く出られるようになったため」と分析する。

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