2019年6月24日(月)

トランプ氏「最大の経済制裁」 イラン核合意離脱表明

2018/5/9 9:27
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【ワシントン=中村亮、ブリュッセル=森本学】トランプ米大統領は8日、欧米など6カ国とイランが結んだ核合意から離脱すると表明した。核合意に基づく対イラン経済制裁を再開する大統領令にも署名した。原油取引を制限してイラン経済に打撃を与える狙いだが、イランは強く反発。核合意維持を求めてきた欧州諸国も遺憾の意を表明し、トランプ氏の孤立がさらに鮮明になった。

トランプ氏は同日の米ホワイトハウスでの演説で、核合意は「巨大な絵空事だ」と批判した。イランの弾道ミサイル開発を制限できず、シリアやレバノンでのイランの関与拡大を許していると指摘。イランの台頭にイスラエルやサウジアラビアが懸念を強めており「核合意の維持こそが中東での核開発競争につながる」と訴えた。

イランの核開発をめぐり、米中ロ英仏独とイランは2015年に「包括的共同作業計画」に合意。イランが濃縮ウラン貯蔵量の削減などで核開発を制限する代わりに、欧米は経済制裁を解除した。トランプ氏は演説で、核合意に代わる「包括的で永続できる解決策」を同盟国と模索すると表明。イランとの交渉にも意欲を示した。

トランプ氏は「最大の経済制裁」を科す意向を表明した。イラン経済を疲弊させれば、軍事資金が枯渇し中東でのイランの影響力を下げられるとみる。トランプ氏は「核開発を目指すイランを手助けするいかなる国も米国による強力な制裁を受けうる」と警告した。

一方、核合意の当事国である英仏独は8日、首脳の共同声明を公表。マクロン仏大統領とメイ英首相、メルケル独首相が連名で、米国の核合意離脱に「遺憾の意」を表し「核合意への関与の継続を強調する」と訴えた。

3カ国首脳は「米国以外の当事者国が核合意を完全に履行するのを妨げる措置をとらないように」と米に要求。イランにも「引き続き核合意に基づく義務を果たさなければならない」と求めた。

トランプ政権が狙うのがイラン原油の輸出削減だ。11年末に成立した「国防授権法」によると、イラン中央銀行と取引する海外の金融機関が米国の金融機関と事実上、取引できなくなる。

各国政府は自国の金融機関を制裁対象から外すよう米政府に要請するとみられる。適用除外はイランからの原油の輸入を「相当減らす」ことが条件。各国の石油会社はイラン原油の調達削減を求められる公算が大きい。米財務省によると、原油取引に関する経済制裁は11月上旬まで猶予されており、各国はそれまでに米政府と協議して適用除外を受ける必要がある。

各国が原油の代替調達を急げば需給が引き締まり価格が上がりやすくなる。経済制裁が本格化した12年には日本や中国、韓国、インドなどがイラン原油の調達を減らし、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)から代替調達して価格上昇に拍車をかけた。

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