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米、北朝鮮に警告 イラン核合意は「反面教師」

【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領はイラン核合意からの離脱表明によって、北朝鮮に向けて強い警告を発した。それは非核化に関する合意が不十分なら、米国は決して受け入れることはないとのメッセージだ。事実上始まっている非核化交渉で主導権を握る狙いがある。ポンペオ国務長官は9日再訪朝した。初の首脳会談に向けた米朝の駆け引きが激しさを増してきた。

「きょうの核合意からの離脱発表には、イランだけでなく北朝鮮への含意もある」。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は8日、記者団に語り、こう続けた。「米国は不十分な取引を認めないとのシグナルだ。米国は真の意味での取引を求めている」

米国がめざす非核化の一例としてボルトン氏が言及したのは、1992年の「南北非核化共同宣言」だ。核兵器の実験や生産などを認めず、検証や査察の手法にも触れている。「北朝鮮がこの宣言に立ち戻れるか」が1つの指標として重要との認識を示し、核の原料となる一切のウラン濃縮活動やプルトニウムの再処理を認めない考えを示した。

現状のイラン核合意は濃縮ウランの貯蔵を認めるなど一時的に核開発を抑えたにすぎず、イスラエルやサウジアラビアなど周辺国の脅威である弾道ミサイル開発を制限する仕掛けもない。トランプ氏が指摘するこうした「欠陥」は欧州諸国も認める。

ボルトン氏は「核拡散の脅威の除去に真剣に取り組むというなら、核の野心を持つ国に認めているこうした活動にも対処しなければならない」と強調する。イラン核合意を「反面教師」とし、北朝鮮との合意をめざしているのは明白だ。

ただ、米欧と中国など6カ国が関わったイラン核合意からの離脱は北朝鮮にしてみれば「米国は信用できない」と映り、米朝交渉にマイナスになる可能性もある。民主党の下院トップ、ペロシ院内総務は8日の声明で「北朝鮮の非核化に向けた努力をしているさなかに米国の指導力を放棄するトランプ氏の決定は思慮を欠くもので、危険だ」と批判した。

こうした声を意識してか、トランプ氏は8日の発表の際に「私たちはいったん約束をすれば、それを守る」と表明した。その直後、タイミングを合わせたかのようにポンペオ氏の北朝鮮への再度の派遣を明らかにした。

ポンペオ氏は北朝鮮高官との間で米朝首脳会談の日程や議題について突っ込んだ協議をするとみられる。訪朝に向かう機中では記者団に「目的を達成するまでは制裁を緩めることはない」と重ねて強調し、北朝鮮をけん制した。トランプ政権の強硬な姿勢が吉と出るのか。ポンペオ氏の再訪朝はその試金石となる。

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