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JR四国、30年で輸送密度3割減 非鉄道事業の育成急務

JR四国の鉄道事業は厳しい状況が続いている。8日発表の2018年3月期決算によると、旅客運輸収入は1.5%増の239億円を確保したものの、管内の鉄道路線の平均通過人員(輸送密度)は全20区間中8区間で減り、全体人数も30年で3割減った。全国よりハイペースの人口減が主因だ。落ち込みを和らげるインバウンド(訪日外国人)の利用も鈍化の兆しがあり、非鉄道事業の重みが増している。

JR四国の高徳線 高松~徳島

JR四国の鉄道網は約855キロメートル。輸送密度は1キロメートルあたりの1日平均の利用旅客数を表す。18年3月期は最も少ない牟岐線の牟岐―海部(232人)のほか、鳴門線の池谷―鳴門(1917人)など計8区間で前の期比0.1~6.6%減った。また予土線の北宇和島―若井(340人)もフリー切符の一律計上分を除くと5.2%の減少に転じる。学校の統廃合など通学の増減が左右している面もある。

全線合わせた輸送密度は4730人と、前の期からわずかに増えた。旅客運輸収入でも大型観光企画や景気の回復基調を反映したビジネス利用が伸び3期連続の増収となった。

ただ、輸送密度の30年間の推移をみると、1988年の6782人から3割減っており、区間別も軒並み減っている。旅客運輸収入もピーク比3割減の水準で持ち直しているとはいえない。2012年4月の発売から右肩上がりで販売を伸ばした外国人旅行者向けフリーパス「ALL SHIKOKU Rail Pass」も伸びが鈍化し「頭打ち感が出てきた」(半井真司社長)。

四国内の人口は45年には現在よりさらに2割以上減って282万人と見込まれている。こうした経営環境下で重要性が増しているのが鉄道以外の収益源だ。

18年3月期の連結売上高は前の期比4.7%増の513億円だった。参入した分譲マンションが14億円の増収要因となり、JR四国発足時の国からの支援措置である経営安定基金2082億円の運用益が当初想定の2.5%から3.3%に上振れしたことも利益面で貢献した。

19年3月期は高松駅前に建設中の宿泊特化型ホテルの開業や、京都での簡易宿所事業など新たな取り組みが加わる。20年度までの中期経営計画では旅客運輸収入が減るのに対し、鉄道外のその他収入は74億円にまで引き上げることを目指す。

とはいえ、鉄道事業の100億円超の赤字について「鉄道外事業で穴埋めできる規模ではない」(JR四国)。JR四国の鉄道網を巡っては四国4県と有識者を交えた懇談会を発足させており、こうした経営環境を踏まえた中長期的な施策を詰める方向だ。

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