2018年9月25日(火)

面接解禁前に内定4割 就活ルール形骸化一段と
経団連企業でも

就活
コラム(ビジネス)
2018/5/8 18:19
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 6月1日の面接解禁を前に内定を獲得する学生が増えている。就職情報大手ディスコ(東京・文京)が8日発表した5月1日時点の内定率は4割を超え、売り手市場を背景に採用の前倒しに歯止めがかからない。企業や学生の負担軽減を狙った経団連の就活ルールだが、インターンや通年採用など国際標準に近い手法が浸透し形骸化が一段と進んでいる。

合同企業説明会で企業の担当者の話を聞く就活生(3月、千葉市美浜区の幕張メッセ)

 「大手メーカーから内定をゲットしました。あとは6月1日に意思確認をするだけ」(東京都内の私立大学4年の男子学生)。今年の就職戦線ではこんな学生が目立つ。

 ディスコが発表した2019年春卒業予定の大学生・大学院生の5月1日時点の内定率(内々定を含む)は42.2%。4月1日時点よりも23.4ポイント上昇し、前年同月を4.7ポイント上回った。8日、マイナビ(東京・千代田)が発表した調査でも就活生1人当たり平均1.5社の内定を得ていることがわかった。前年同月比0.1社増だ。

 ディスコの武井房子上席研究員は「企業が動きを早めた結果」と分析する。同社の調査では、5月より前に面接を始めた従業員1000人以上の企業は76%。前年より約15ポイント高くなった。

 大学3年生の3月に説明会、4年生の6月に面接解禁。経団連が19年卒学生の就職活動で加盟企業に求めているルールだ。ただ現時点で内定を出している企業は多い。

 まず経団連に加盟していない外資系企業やスタートアップ。コンサルティング大手などは昨年秋から内定を出している。楽天やファーストリテイリングなど通年採用を実施している企業も同様だ。楽天は「文系ビジネス総合職」では3月前に内定を出しているという。

 水面下で選考を進める経団連加盟企業も珍しくない。ある大手素材企業は「OB訪問」を3回クリアした学生に内々定を出しているという。「交流会」「懇親会」などと称した実質的な面接を実施する企業も多い。

 6月1日から選考を始める企業も学生をつなぎとめようと懸命だ。三井住友海上火災保険はエントリーシートの提出者向けに社員訪問を受け付けている。面接前に学生の不安を解消してもらうのが狙いだ。

 大企業が採用を前倒しする背景には、優位性が薄れていることがある。ある大手商社の採用担当者は「人工知能(AI)の人材が欲しいが、スタートアップに持って行かれる」と打ち明ける。

 さらに17年のインターンシップ(就業体験)の日数規定の廃止で、1日型インターンを実施する企業が相次いだことが前倒しに拍車をかけた。

 マイナビの調査ではインターンに参加したことがある19年卒の学生は前年比約1割増の78.7%。大多数の学生が参加しており、企業も採用プロセスの一環として組み込む傾向が強まっている。

 インターンが始まる大学3年生の夏から始めると、就活は約1年間続くことになる。「昨年9月に外資系コンサルから内定をもらった。今は研究に専念する毎日」(国立大の理系院修士2年の男子学生)といった学生もいる一方で、負担が増し学業に影響があるとの声も多い。

 経団連は21年卒の学生の就活ルールの見直しに着手した。説明会と面接の解禁を3月に一本化する案などを検討しており、今年秋にも結論を出す方向だ。ただ新卒一括採用を前提に時期で縛るルールには限界が迫ってきている。(潟山美穂、小柳優太)

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