軽妙洒脱の神髄 望月京
[有料会員限定]
ある日、帰宅した夫が言った。
「今日、演奏会後のサイン会に、出たばかりの僕の本とCDを持った高齢のムッシューが並んでたんだ。サインをするのにお名前を訊(たず)ねたらミトちゃん(と夫は私を呼ぶ)の先生だったんだよ! 思わず『ミサト・モチヅキの夫です』って挨拶(あいさつ)したら驚いてすごく懐かしがってた」
20年近く会っていない師のいたずらっぽい笑顔と数々の思い出が瞬時に脳裏に蘇(よみがえ)った。...
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り1214文字