ネスレ、スタバ商品の販売権を7900億円で取得
【ジュネーブ=細川倫太郎】食品世界最大手、ネスレ(スイス)は7日、米スターバックスから商品の販売権を取得することで合意したと発表した。投資額は約72億ドル(約7900億円)。スーパーなどのスタバ商品を販売できる。世界的な人気ブランドを手に入れ、主力のコーヒー分野で成長に弾みをつける。
ネスレはスーパーや百貨店で扱っているコーヒー豆などスタバ商品を販売する。年間売上高は約20億ドルに相当する。スタバの店舗内の商品や一部の飲料は対象外。投資資金は現金で支払う。約500人のスタバ社員がネスレに移ることでも合意した。
スタバは獲得資金を自社株買いに充てる見通し。両社は2018年末までに取引を終える。
ネスレのウルフ・シュナイダー最高経営責任者(CEO)は同日、「今回の取引は我々のコーヒー事業にとって重要なステップになる」との声明を発表した。スタバのケビン・ジョンソンCEOも「変化する消費者のニーズに対応し、世界中の人々にスタバの体験を届ける機会になる」とコメントした。
コーヒー世界最大手のネスレが競合相手のスタバと連携する背景には、米国市場での存在感を高めたい狙いがある。欧米メディアによるとネスレは米市場シェアは5位。新規開拓には圧倒的な支持があるスタバのブランド力が欠かせないと判断したようだ。17年9月には豆の仕入れや作り方にこだわる個性派コーヒーの米ブルーボトルコーヒーを買収した。
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