「代替案を提示せよ」ナイジェル・フレッチャー氏
野党研究センター共同創業者

2018/5/6 0:30
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――野党の仕事をどう定めますか。

「一つは与党の政策を厳しく監視すること、もう一つは潜在的な次期政権として国民に代替案を示すことだ。英国は王権が政治にまだ深く関わっていた18世紀以降に二大政党制が進化してきた」 「王の信任を競うために与党と野党は厳しい論争を通じて議論が成熟し、民主主義が進歩した。『手ごわい野党なくしていかなる政府も長く安定しない』と英国でいわれるのは、このためだ」

――具体的に野党は何をすべきですか。

「最も重要なのは人々を結束するアイデアや理念を示すことだ。これがしっかりしていなければいかなる政権批判も重みを持たない。党の原則・信念を大事にしながら新たな支持層を拡大するというバランスが必要だ」

「1997年に政権奪取した労働党のブレア元首相は『第3の道』による新たな政策を打ち出す一方、保守党の支持者たちに改革はゆっくりすると訴えることも忘れなかった。有権者は過激な変化に不安を抱く場合もあり、『安心して政権を任せられる』と説得できることが大事だ」

――日本政治は「安倍1強」とも評されます。

「前回の衆院選を見たが、野党が信念に反して合併したり、野党間の争いに終始したことが国民に支持されなかったのではないか。一つ一つの野党勢力は小さくても、野党間で連合を組み、題材によって政権に圧力をかけることはできる」

――野党党首の心構えとは。

「野党党首に80年代から90年代初頭に労働党党首を務めたキノック氏がいる。彼は選挙で負けたが、ブレア政権につながる政策の基礎をつくった。自分の代で政権交代を果たせなくても、次世代に向けて信念を貫いた。野党党首は自らのエゴを捨てて信念を持つべきだ」

(聞き手はロンドン=小滝麻理子)

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