2019年8月17日(土)

フルスイングの余韻(山崎武司)

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「リクエスト」の代償と納得できぬ「申告敬遠」

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2018/5/6 6:30
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シーズンが開幕して1カ月あまりがたった。今季はいくつかの新しい制度が導入された。それで改善されたこともあるが、失われたものもある。思うところを述べたい。

まずは「リクエスト制度」について。本塁打かファウルか、アウトかセーフの判定において、監督は審判団に映像でのリプレー検証を求められるようになった。1試合で2度の権利があり、判定が覆れば回数は減らないというものだ。

3月30日の楽天戦で映像による検証を「リクエスト」するロッテ・井口監督=共同

3月30日の楽天戦で映像による検証を「リクエスト」するロッテ・井口監督=共同

これは基本的にいい制度だと思う。選手は何よりも正しい判定を求めている。単純なミスジャッジだけでなく、見事な守備に審判が思わず「アウト!」とうなってしまうようなノリによる誤審も含めて野球ということもできるが、映像で見れば明らかな間違いに勝敗や成績を左右されてはたまらない。選手には生活が懸かっている。

日本野球機構(NPB)の集計では4月22日までに50回のリクエストがあり、18回の判定が覆ったという。「そんなもんだろう」というのが正直な感想だ。現役時代の実感とも一致している。米大リーグの審判は問題があればマイナーへの降格もあり得るが、日本にはそれがない。審判により大きな責任感と緊張感を持って判定してもらうにも有効な制度だろう。

正確さの代償もある

しかし、正確さの代償もあることは指摘しておきたい。際どい判定に血相を変えてベンチを飛び出し、審判に猛抗議していた熱血監督も、今年からは両手で四角をつくって「リクエスト」とやれば終わり。口角泡を飛ばした揚げ句、思わず手が出て退場になり、ベースを投げ飛ばしたり、ベンチを蹴り飛ばしたりする光景がもう見られないと思うと少し寂しい。時と場合にもよるが、監督の猛抗議がナインに「やってやろうじゃないか」と一体感を生むことは確かにあった。紳士的になれば、それだけ無機質にもなる。付け加えれば、リクエストの権利は1度で十分だろう。判定が変われば権利は減らないのだし、実際に2度使い切るケースはほとんどないように見受けられる。

投手の「2段モーション」も解禁された。昨季、反則投球をとられて苦労した菊池雄星(西武)のような投手は伸び伸びと投げられるようになった。ルールに合わせるため、軸足にためをつくりきれなかった投手には朗報だ。打者の立場からすると、投球動作に入った後のフォームが1段だろうが2段だろうが、大した違いはない。個人的には2段モーションよりも「不意打ち」の方が問題だと思っている。

牧田和久(現パドレス)が西武の新人だったころ、捕手のサインを見ているようなそぶりをしているところから急に投げてきたことがある。これについてはメディアを通して不満を伝えたし、球審にも「あんなの、いいの?」と確認した。答えは確か「紳士的ではなく、ほめられたものではないが、ルール上はダメではない」というようなものだった。

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