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自動車会社の隠れた「ドル箱」狙うアマゾンの特許

 あまり知られていないことだが、クルマの補修部品などアフターパーツは一般的に自動車メーカーにとって、非常に利益率の高い「ドル箱」だ。消費者にとっては選択肢が少なく、専業メーカーも部品によって細かく分かれている。そこに目を付けたのが米アマゾン・ドット・コムだ。武器とするのがAR(拡張現実)技術。IT(情報技術)のプラットフォーマーは閉ざされた市場に風穴を開けることができるか。

自動車パーツの互換性、取り寄せる前にARで確認

車の補修・改造用部品をインターネットで買うのは難しく、イライラする作業だ。こうした部品の多くは外部メーカーが生産しているため、品質やデザインがまちまちであることが多い。

例えば、1995年式の米フォード・モーターのセダン「フュージョン」の持ち主が新しいフェンダーライナーを注文したいとしよう。ネットで適切なライナーを見つけるのは難しいかもしれない。

広告では「互換性がある」とされている商品でも、精度にばらつきがあるため、自分の車に合わないことも多いのだ。しかも、ブランドの数は数百種類もあり、確認すべき車種やモデルも途方にくれるほど多い。

そこで注目すべきなのがアマゾンの技術だ。同社はすでに「iOS」と「アンドロイド」のアプリで小売りに拡張現実(AR)を導入しているが、3月にアマゾンが取得した新たな特許は、同社がARを全く新たな商品カテゴリーに拡大する可能性があることを示している。

アマゾンの特許の図面。消費者はARを使い、部品が自分の車に合うかを確認できる

アマゾンは2017年1月、米大手自動車部品サプライヤー数社と販売契約を結んだことを発表し、この分野に本腰を入れ始めた。

「自動車部品の取り付けプレビュー画像の生成」と銘打たれたアマゾンのAR特許は、まるで実際に部品を車に取り付けたかのような画像を事前に確認できるシステムだ。

米アドバンス・オート・パーツや米オートゾーンなど既存の自動車用品店には、ARの機能はない。アマゾンはARを武器に自動車用品業界に風穴を開けることになる。

この技術の特徴を3段階に分けて説明しよう。

1:コンピュータービジョンで車両を特定する

まずはユーザーが撮影したカメラ画像に基づき、アプリで車の車種やモデル、年式を特定する。それからアプリに搭載されているコンピュータービジョン(CV)が、車のバッテリーやヘッドライト、ブランドエンブレムから車両そのものを特定する。CVで車両を特定できない場合、米国で使われる車両識別番号(VIN)を入力することもできる。

車両が特定されれば、画像に表示されている箇所や部品をアプリが識別し、部品を設置する場所を割り出す。

2:オンラインで適切な部品を購入する

設置場所が判明すると、利用者は3D画像のデータベースから欲しい部品を選ぶ。例えばスーパーチャージャーを買いたい場合、このデータベースには正確な寸法の情報が含まれている。アプリにはいくつかのブランドや大きさのスーパーチャージャーが表示され、利用者は下記の図のように画像を切り替えてチェックすることができる。

そして、3D画像のオンラインデータベースから、欲しい部品を確認して選ぶ。

特許ではアプリによるオススメ機能についても詳しく説明している。これはアマゾンの通販サイトのオススメ機能のようなものだ。

3:選んだ部品が本当に車に合うかどうかをARで確認する

欲しい部品を選ぶと、その部品の画像が車の画像と融合される。ユーザーはここで、部品が車に合うかを判断できる。

特許では、部品と車の適合度が一定の範囲内に収まっているかを3D画像で判断できると説明している。つまり、正確な寸法を把握していても、視覚的に投影できない面があることを示唆している。

そしてアプリには顧客のレビューやメーカーのコメントなどの補足情報も記載され、状況を把握しやすくする工夫が施されている。

アマゾンがこの技術を使って互換性のある部品を的確に提案できるようになれば、アフターパーツ業界で割高な正規部品の販売業者から市場シェアを奪えるかもしれない。

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