2018年12月13日(木)

安保理視察団「疑惑の徹底調査を」 ロヒンギャ問題

2018/5/1 22:31
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【ネピドー=新田裕一】ミャンマーを訪問中の国連安全保障理事会の視察団は1日、イスラム系少数民族ロヒンギャに対する迫害問題が起きた西部ラカイン州を訪問した。首都ネピドーで記者会見した英国のピアス国連大使は、約70万人の難民発生を招いた掃討作戦での迫害行為について「事実調査の規模を拡大する必要がある」と指摘。「国連から独立した調査官を派遣することも可能だ」と述べた。

1日、ネピドー国際空港で記者会見に応じる国連安全保障理事会の視察団

視察団はミャンマー政府関係者の案内でロヒンギャが居住するラカイン州北部を訪問。バングラデシュとの国境付近に政府が設けた難民受け入れ施設などを視察した。

ピアス大使は、人道犯罪などを裁く国際刑事裁判所(ICC)に付託することも選択肢に挙げる一方で「アウン・サン・スー・チー国家顧問は証拠があれば捜査をすると話した」と言及。国連側から証拠を示すメカニズムを構築することが「第1段階」だと述べた。

2017年8月以降、バングラデシュに逃れたロヒンギャ難民は約70万人。ミャンマー政府は難民帰還を受け入れる姿勢を示すが、国境地帯にとどまっていた1世帯5人が戻った例を除いて帰還は進んでいない。

ミャンマー政府が帰還難民を「国籍審査制度」の対象にしていることに対し、ロヒンギャ難民の多くは反発し、即時の国籍認定を求めている。視察団の1人は「ミャンマー政府の要求は難民にとって受け入れがたいものだ」と指摘。国連難民高等弁務官事務所などを関与させ、速やかに帰還を始めるよう求めた。

国連安保理15カ国で構成する視察団は4月29日、バングラデシュ側の難民キャンプを訪問した。30日にネピドーに到着し、アウン・サン・スー・チー国家顧問やミン・アウン・フライン国軍最高司令官と面会した。

国軍司令部によると、国軍司令官は視察団との面会で、ロヒンギャ村落での掃討作戦は法に基づく適正なもので「軍紀に反した者がいたなら厳しく処罰する」と述べた。国連事務局が4月、紛争下の性的暴力に関わったと疑われる団体リストにミャンマー国軍を追加したことについて「国軍の歴史で性的暴力が行われたことは一度もない」と否定した。

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