2019年9月16日(月)

水俣病、解決なお遠く 公式確認62年で慰霊式

2018/5/1 18:59
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水俣病の公式確認から62年を迎えた1日、熊本県水俣市で犠牲者慰霊式が開かれ、患者や遺族ら約650人が犠牲者の冥福を祈った。熊本・鹿児島両県で患者認定審査を待つ人は今も約2千人に上る。今年は水俣病問題を世に問い続けた作家の石牟礼道子さんが90歳で亡くなり、改めて問題への関心が高まったが、全面的な解決への道筋はなお見えていない。

水俣病犠牲者慰霊式で黙とうする水俣病患者ら(1日、熊本県水俣市)

水俣病犠牲者慰霊式で献花する胎児性水俣病患者ら(1日、熊本県水俣市)

慰霊式は午後1時半、水俣湾を埋め立てたエコパーク水俣の慰霊碑前で始まった。小雨が降る中で鐘の音とサイレンが鳴り響き、黒いスーツに身を包んだ出席者らが一斉に黙とうをささげた。

出席した中川雅治環境相は「国として被害拡大を防げなかったことを改めておわび申し上げる」と謝罪。昨年8月に発効した水俣条約に触れ「国内外の水銀汚染対策を着実に実施するとともに、水俣病の経験や教訓を後世に伝えていく」と述べた。熊本県の蒲島郁夫知事は「水俣病の教訓を踏まえた環境モデル都市づくりに力強く取り組む」と決意を新たにした。

地元の小中学生を代表し、多久島梨央さん(11)が「大好きなふるさとが2度と悲しい思いをしないよう、私たちも自分のことととらえて行動する」と誓った。

水俣病は原因企業チッソが海に流したメチル水銀が原因で発生。認定患者は熊本・鹿児島両県で約2300人。認定を求める人は約2千人に上り、約1500人が損害賠償などを求める訴訟を全国で起こしている。

式典後には「水俣病不知火患者会」(水俣市)など11の関係団体が中川環境相と面会。患者の健康調査などを求める要求書を受け取った中川氏は「患者の協力をいただきながら手法の開発を進める」とし、時期は明言しなかった。認定基準の見直しについても「引き続き県や市と連携して丁寧な認定審査を行っていく」と述べるにとどめた。

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