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主役がいない 国内男子ゴルフの危機

ゴルフジャーナリスト 地平達郎

4月第2週の東建ホームメイトカップが国内開幕戦となった男子ゴルフツアー。日本人選手の苦しいスタートが気になる。

中日クラウンズをY・E・ヤンが制し、外国人選手の優勝は4試合になった=共同

東建では重永亜斗夢(29)が初優勝を飾ったものの、パナソニックオープンはR・ガンジー(インド)、中日クラウンズではY・E・ヤン(韓国)と、2週連続で外国人選手が優勝した。しかも、2試合とも日本人選手は上位3人に1人も残れなかった。

これで、1月にシンガポールとミャンマーで行われた2試合を含め、中日クラウンズまでの5試合のうち、4試合を外国人選手が制したことになる。目下、賞金ランキング上位10人に入っている日本人選手は小平智、重永、石川遼の3人だけ。まだ始まったばかりで、ここから日本人選手の奮起を期待したいところだが、決して楽な状況ではない。

若手が頭角、活気づく女子ツアー

2017年の男子賞金ランクは宮里優作が初の賞金王を獲得し、小平が2位となったものの、上位10人のうち日本人選手は半分の5人。上位50人まで広げても、日本人選手26人に対して外国人選手は24人とほぼ半数を占めた。

よく「女子ツアーは外国人選手ばかりが強い」といわれる。確かに、17年の国内女子ツアーの賞金ランクをみると、日本人選手は上位10人のうち3人しか入れなかった。しかし、上位50人にまでみれば36人が日本人選手と、圧倒的に日本選手が優位に立っているのだ。

さらに18年は17年までとは全く違う展開になっている。4月までの9試合を消化した時点で、賞金ランクの上位10人に日本人選手が7人。驚くことに、そのうち6人が20代で、先日のサイバーエージェントで初優勝した新垣比菜は勝みなみ、畑岡奈紗らとともに「黄金世代」といわれる19歳だ。若手が次々と頭角を現し、ツアーを盛り上げている。

男子の米ツアーも近年は若手の台頭が著しい。16~17年シーズン賞金ランク1位のJ・トーマス(25)、2位のJ・スピース(24、ともに米国)はともに20代半ば。26歳の松山英樹を含めて上位10人に20代が5人。いずれも飛ばし屋で、「ベテラン選手はついていけない」とまでいわれる。そんな中で47歳のP・ミケルソン(米国)が勝つことがあるから、ファンはたまらない。

26歳の石川頼みでは余りにも…

それに比べると、日本の男子にはここ数年、全くといっていいほど若手が出てきていない。17年の賞金ランク10位までに入った5人のうち、20代は小平(28)と今平周吾(25)の2人だけ。37歳の宮里優や45歳の片山晋呉らが頑張っているのは評価されるが、それにしても、ここまで若い選手が出てこないのは「危機的状況」といわざるを得ない。

国内ツアーを背負うのはやはり石川しかいないのか=共同

この影響はギャラリー数やテレビ中継の視聴率にも表れている。日本ゴルフツアー機構と日本女子プロゴルフ協会のデータでは、17年の国内男子の総ギャラリー数は過去最少の約29万人で、1試合平均は約1万2100人。過去最多の約59万人、平均約1万5500人だった女子に大きく水をあけられた。平均視聴率も3.6%で、女子の4.7%の後じんを拝している。

松山と小平が人気、実力ともに男子の双璧とされるのに異論をはさむ余地はない。しかし、この2人は米ツアーに軸足を置いている。となると、国内男子ツアーを背負って立つのは、今シーズン日本に戻ってきた26歳の石川しかいないのだろうか。

だが、選手会長を頼む、試合も頑張ってくれ――では虫がよすぎる。

主役がいない……。数年前、男子ツアーの将来を心配する声があがったとき、当時のツアー機構の幹部が「スーパースターが1人出てきたら、一気に解決する」と語っていたが、ことはそんなに単純ではない。

危険水域に足を突っ込みつつある男子ゴルフ界。何が足りなくて、何をしなくてはいけないのか。本気で考えるときがきた。

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