シンガポール首相、「公式な要請ない」 米朝首脳会談の開催地巡り

2018/4/28 17:18
保存
共有
印刷
その他

【シンガポール=中野貴司】シンガポールのリー・シェンロン首相は28日、米朝首脳会談の候補地としてシンガポールが取り沙汰されていることについて「どの国からも公式な要請を受けていない」と述べた。朝鮮半島の完全な非核化をめざすことで合意した27日の南北首脳会談に関しては「まだ最初の段階で、今後の交渉は簡単ではない」と指摘した。

28日に開いた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議後の記者会見で発言した。6月初旬までの実現を想定している米朝首脳会談の候補地については、トランプ米大統領が27日、「2カ所に絞った」と語っている。シンガポールは中立国スイスのジュネーブなどとともにこれまで候補地の一つとして報道されている。リー首相は「開催地は米朝が合意して決めるべきものだ」とも付け加えた。

リー首相は27日の南北首脳会談を「前向きなステップ」と評価する一方で、「誰もが完全、検証可能で不可逆的な核放棄を望んでいるが、どうそれを実施し、検証していくかなど多くの難題が残されている」と指摘。「ASEANにできるのは国際社会の声に加勢することぐらいで、影響力は限られている」とも認め、今後の推移を見守る考えを示した。

ASEANは28日に公表した首脳会議の議長声明でも、南北首脳会談や今後予定される米朝首脳会談について「歓迎する」と明記した。中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題を巡っては、「一部の首脳が表明した懸念に留意する」との文言を含めた。フィリピンが議長国を務めた2017年11月の首脳会議の議長声明からは「懸念」の表現が消えていたが、今回復活した。

安全保障分野では西側諸国と考え方が近いシンガポールが議長国となり、ASEANの対中国の姿勢がやや中立に戻った格好だ。リー首相は南シナ海の現状について「比較的平穏な状況だ」との認識を示した。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]