ロックフェラー家の美術品が競売に 推定総額10億ドル
【ニューヨーク=河内真帆】ロックフェラー家が19世紀から代々収集してきた美術品が競売にかけられる。オークション大手のクリスティーズが27日に記者団に向け、対象となる約1600品目を公開した。競売は5月8日~10日にニューヨーク市で実施する。遺産競売としては過去最大となる総額10億ドル(約1090億円)を超すとの見方が出ている。

競売にかかるのは2017年3月に死去した第3代当主のデビッド・ロックフェラー氏と、妻のペギーさんがニューヨーク市内の邸宅とメーン州の別荘に保有していた印象派絵画、欧州のアンティーク家具、アジア美術、宝飾品、磁器セットなど。
話題となっているのはピカソの「バラ色の時代」の傑作といわれる花売り娘の裸体絵で、推定落札額は1億ドルという。そのほかモネやピカソ、シャガールなどのほか、エドワード・ホッパー、ジョージア・オキーフなど現代の作品も含む。
ロックフェラー氏自身からロックフェラーセンターに掲げる壁画を頼まれたが、群衆の中にレーニンの顔を描いたことが問題視されて一時絶交状態となったメキシコの芸術家、ディエゴ・リビエラの油絵(推定落札額300万~500万ドル)も注目を集めている。
生前からロックフェラー氏は自らの死後に私財の美術品をすべて売却し、売上金を教育、環境、文化振興団体に寄付することを表明していた。売上金は故人が選んだ11の団体に寄付される。