2019年3月19日(火)

Jパワー、石炭火力建て替え断念 採算見通せず

2018/4/28 0:58
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Jパワーは27日、高砂火力発電所1、2号機(兵庫県高砂市)の建て替えを断念すると発表した。老朽設備を高効率の石炭火力発電所に切り替える計画だったが、電力需要の減少で採算が不透明なことなどから見直しを決めた。石炭火力に対する国際的な風当たりは強い。国の発電量の約3割を依存する石炭火力への逆風は、日本のエネルギー政策にも影響する。

Jパワーの高砂火力発電所(兵庫県高砂市)

「将来にわたって需要が伸びていく見通しが立たない」。Jパワーの渡部肇史社長は27日の記者会見で今回の見直しの理由を説明した。「(電力を供給する)関西電力との協議が整わなかった」とも言及。関電の原子力発電所が再稼働するなか、3千億円規模を投じて火力発電所を新設しても採算が見込めない現状をにじませた。

Jパワーは14年に最新鋭の設備への建て替えを発表し21年に稼働する予定だった。当面は既存設備の稼働を続ける。

渡部社長は「石炭火力に対する逆風で今回の判断をしたわけではない」と語った。ただ、日本の石炭火力に対する国際社会の風圧は着実に強まっている。

17年にドイツで開かれた国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)で日本は石炭火力の「推進国」としてやり玉に挙げられた。経済産業省の幹部は「ここ1年で急に批判のトーンが強まった」と漏らす。

Jパワーは高砂発電所に「超々臨界圧(USC)」と呼ばれる高効率な発電技術を採用する計画だった。ただ、火力発電所は数十年の長期運用が求められる。

人口減や節電の広がりで中長期的な電力需要の減少が見込まれるなか、国際的な批判も根強い石炭火力に巨費を投じるリスクは増している。

Jパワー以外にも石炭火力の計画を見直す動きが広がる。四国電力は仙台市で新設を計画していたが10日に断念すると発表。共同で計画を担ってきた住友商事が単独で進める予定だ。関西電力と東燃ゼネラル石油(現JXTGホールディングス)が千葉県市原市で計画していた発電所も17年春に取りやめを決めた。

東日本大震災後に全国の原発が稼働を止めるなか、電力各社は安定供給が可能な石炭火力の活用を拡大。その結果、石炭火力への依存度は震災前の約25%から3割強に高まった。

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