南北会談、歓迎と警戒 被爆者や拉致家族被害者ら

2018/4/27 22:40
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「完全な非核化」の実現に言及した27日の南北首脳会談。過去の北朝鮮の核開発や挑発行動を懸念し続けてきた国内の被爆者や自治体などには「大きな前進だ」「楽観できない」と歓迎と警戒が交錯した。拉致被害者家族は「拉致問題から目を背けないで」と議論の進展に期待する一方、「日本もはっきり意見を」と注文をつけた。

記念に松を植樹する文在寅大統領(右)と金正恩委員長(27日、板門店)=韓国共同写真記者団・共同

「実現すれば世界に向けた大きな贈り物になる」。広島県原爆被害者団体協議会副理事長の箕牧智之さん(76)は共同宣言に「平和に向けた歴史的な一歩として、歓迎できるのではないか」と前向きに受け止めた。

一方で「日本にミサイルを飛ばし、米大統領と激しく応酬した頃と比べ、ことが進みすぎている」と戸惑いも。「米朝首脳会談でどう進展するか注視したい」と話した。

「核実験に抗議する長崎市民の会」の山川剛代表(81)は「朝鮮半島の非核化は北朝鮮が保有する核の廃絶も意味する。大きな前進だ」と評価した。

2017年8~9月に2度、立て続けにミサイルが上空を通過した北海道。滝川市では発射を想定した住民の避難訓練を行っており、防災危機対策室の担当者は「楽観できず、訓練をしなくていい状況になったとは思えない。引き続き動向を見守りたい」と慎重姿勢を崩さなかった。

拉致被害者、田口八重子さん(失踪当時22)の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(79)は「期待を持って注視したが、宣言は拉致問題に触れなかった」と残念そう。「関係改善の中で、拉致被害者を日本に返す議論につながれば」と祈った。

そのうえで「日本は出番が少ない。もっとはっきりと意見を言わなくてはいけない」と注文をつけた。

拉致被害者、有本恵子さん(失踪当時23)の父、明弘さん(89)は「拉致問題解決に一気に進んでほしい」と祈りを込める。

恵子さんの母、嘉代子さん(92)は約2年前から体調を崩している。明弘さんは「北朝鮮は何度も裏切り行為があった。米国と協力し、北朝鮮が拉致問題から目を背けないようにしっかり働きかけていくべきだ」と訴えた。

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