2019年7月19日(金)

神戸製鋼、リスク備え現金確保 不動産子会社売却

2018/4/27 22:36
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神戸製鋼所が事業の選別を急ぐ。27日に全額出資の不動産子会社、神鋼不動産(神戸市)の株式のうち75%を約740億円で東京センチュリーなどに譲渡すると発表した。4月上旬には約500億円を投じて加古川製鉄所(兵庫県)に最新鋭の設備を新設すると公表した。昨年10月に発覚した品質データ改ざん問題が刑事事件に発展する可能性がある中で、競争力を高めるための構造改革路線を一段と進める。

神戸製鋼にとって神鋼不動産は非中核事業。過去に社内で何度も売却案が浮上したが、一定の利益を稼いでいるために「積極的に手放す理由が見つからなかった」(神戸製鋼幹部)という。

しかし品質データ改ざん問題で経営環境は一変した。将来発生する部品交換などのリスクに備え、手元にできるだけキャッシュを用意しておく必要が生じた。神戸製鋼は売却に向けて、入札作業を進めていった。

東京センチュリーに70%、日本土地建物へ5%を7月1日付で譲渡する。神戸製鋼は2019年3月期の連結決算見通しに、約300億円の特別利益を盛り込んだ。

一方で、将来の成長事業では積極的な投資に動いている。4日に発表した加古川製鉄所への大規模投資は自動車の軽量化につながる高性能鋼板「超ハイテン」の生産設備の新設だ。

投資に向けた準備を進めていたが、調査が進む米司法当局の動向によっては多額の制裁金が科される可能性がある。そのため鉄鋼業界内では「意思決定できないのでは」とみられていた。

神戸製鋼が大胆な経営判断に動くのは現状への危機感からだ。18年3月期の連結最終損益は631億円の黒字(前の期は230億円の赤字)で3年ぶりに黒字転換したが、19年3月期は前期比29%減の450億円になる見通し。再び下り坂の状態に戻ることになる。

勝川四志彦専務執行役員は弁護士費用など品質データ改ざんなどの影響で「19年3月期に100億円規模の減益要因になる」と述べた。信頼の低下から一部の顧客が他社に移っているほか、問題製品の交換費用が膨らむ可能性もある。構造改革を進める一方で、品質データ問題のリスクとは今後も向き合い続けることになる。(大西智也)

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