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「非核化」具体策、米朝会談に持ち越し

【ソウル=鈴木壮太郎】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が27日発表した「板門店宣言」では「完全な非核化」という文言が明記され、韓国政府が目指した最低ラインは達成した。ただ非核化の時期や手順など具体策は盛りこまれず、6月初旬に予定される米朝首脳会談での議論に持ち越された。宣言は朝鮮戦争を巡る平和協定の問題で南北と米国、中国の4者協議に言及。日本が対朝協議で外される懸念も浮上した。

「朝鮮半島の非核化と恒久的な平和、共同繁栄と統一のための揺るぎない一里塚を築いた」(文氏)

「きょうの合意が過去のような悪い歴史を繰り返さず、緊密に協力してよい結実を得るよう努力する」(金正恩氏)

27日夕、共同宣言の署名後に記者発表した両氏は満足そうな表情を浮かべた。

今回の首脳会談は南北関係の進展に重きを置いた2000年、2007年の首脳会談とは異なり、初めて北朝鮮の非核化が主題となった。焦点は今回の首脳会談で金正恩氏がどこまで非核化の意思を明確に示すかだった。

金正恩氏は3月に訪朝した韓国の特使に「体制の安全が保証されれば核を持つ理由はない」と伝達。同月の訪中の際、習近平(シー・ジンピン)国家主席に「段階的で同時的な措置をとるなら半島の非核化問題は解決できる」と伝えた。ただ、いずれも中韓の発表にとどまり、北朝鮮が公式に示したことはなかった。

今回、宣言に「完全な非核化」の文言が盛りこまれたことで、韓国政府内では「合格ラインに達した」と安堵する雰囲気が広がっている。ただ「完全な非核化」が何を示すのかは不明だ。韓国大統領府関係者はその意味について「北朝鮮と共感した」と語り、韓国が求める非核化と大差はないとの楽観的な見方を示した。

韓国では今回の会談では非核化の具体的な内容については踏み込めないとの見方も多かった。6月初旬までには米朝首脳会談が予定されている。今回の首脳会談の元老諮問団メンバーの李鍾奭(イ・ジョンソク)元統一相はかねて「韓国のお土産と、米国へのお土産は分ける必要がある」と語っていた。非核化の範囲や手順、工程表など具体策は米朝首脳会談で明らかにするとの見立てだ。

共同宣言では1950年に始まった朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に転換する問題にも触れた。まずは休戦協定締結から65年となる今年に終戦宣言し、恒久的で堅固な平和体制構築に向けた南北と米国の3者か中国を加えた4者による会談開催の推進を盛りこんだ。

2007年の南北共同宣言でも同様の内容をうたっているが、今回初めて、終戦宣言→平和協定締結という手順が示され「3者、4者」の国名が明示された。平和協定の早期締結により米朝の国交も正常化させ、金正恩体制の安定を図りたい北朝鮮の思いを韓国がくみ取った格好だ。

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