日銀 黒田総裁会見要旨

2018/4/27 20:30
保存
共有
印刷
その他

問 決定会合と経済・物価情勢の展望(展望リポート)の内容は。

答 決定会合では長短金利操作の下での金融市場調節方針の維持を賛成多数で決めた。展望リポートで示した2019年度までの見通しを従来と比べると、成長率は幾分上振れている。物価はおおむね不変だ。

記者会見する日銀の黒田総裁(27日午後、日銀本店)

記者会見する日銀の黒田総裁(27日午後、日銀本店)

ただ、リスクバランスをみると19年度以降は経済も物価も下振れリスクの方が大きい。今後とも経済・物価・金融情勢を踏まえ「2%の物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う。

問 展望リポートから、物価上昇率が2%程度に達する時期の記述がなくなった。

答 あくまで達成される時期の「見通し」として示してきたが、市場の一部には「達成時期」と捉え、この変化を政策変更に結び付ける見方が根強く残っている。物価の先行きには様々な不確実性があり、計数のみに過度な注目が集まることは、市場との対話においても適当ではない。

政策委員会は特定の達成時期を念頭において政策運営しているわけではない。政策スタンスが誤解される恐れがあるので今回から文言を削除した。欧米の中央銀行も物価の見通しは示しているが達成時期をコミットする形は取っていない。日銀が2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するために政策運営をすることは全く変わらない。

経済・物価に対する政策委員の大勢見通しや、リスクに関する考え方は従来通り掲載している。

問 「2%の物価安定」が政策目標であることに変わりないのか。

答 13年1月に正式決定して以降、全く変わっていない。政府との共同声明でもうたわれ、再確認し堅持すると政府にも申し上げている。

問 2%は中長期で達成する目標に変わったのか。

答 物価目標の早期達成を目指していることは全く変わりはない。中長期的な目標に変更したということではない。

問 19、20年度の物価見通しは2%に届いていない。

答 年度平均の見通しなので、その中で一定の変動はありうる。2%程度に達する見通しだといえるが、不確実性があるので、リスク評価も具体的に示している。

問 リスクのなかで最も警戒するのは。

答 世界的には保護主義の影響が出るのではないか。米国の金融引き締めが市場予想より速く進むリスクもある。

国内固有のリスクとして注意するのは、デフレマインドがなくならない可能性だ。短期の予想物価上昇率は若干上がっているものの、中長期はほとんど動いていない。

問 早期達成を目指す方針がある限り、副作用が顕在化しても政策を修正しにくいのでは。

答 副作用には金融仲介機能の低下と資産バブルの2点があると思う。地域金融機関の貸し出しは順調に伸び、過熱や行き過ぎた動きも現時点では起こっていない。金融システムに対する好ましくない影響は現時点では出ていない。

現在の政策の枠組みを決めた16年9月以降にはっきりと言っているように、経済・物価に加え、金融情勢も勘案しており、早期の目標達成方針が政策運営の足かせになっていることはない。

問 目標達成時期について市場との間で誤解が生じていたことはどのような点で問題か。

答 政策委員会が目標達成時期を明示し、それに向けて政策運営をしているという誤解が生じると、達成時期が変化したら当然政策も変化すると思われる。それが市場に余計な影響を与えるのは好ましくない。

政策委員会として、どのような金融政策を望んでいるかを正しく市場の人に理解してもらうということが、長い目で見て金融政策の効果を高める。だからこそ誤解を生じないような書き方にした。

問 今の政策スタンスは、何が何でも2%の達成という方針から変化したのか。

答 2013年4月に量的質的金融緩和を導入した際には、「できるだけ早期」を「2年程度を念頭において」と解釈しかなり早急に2%目標を達成するよう大胆な緩和を始めた。ただ、その後様々な変化があり、金融システムに対する影響も考慮し、16年9月に現在の政策の枠組みになった。13年4月のようにスケジュールを念頭において政策を運営する形ではないが、できるだけ早く目標を達成するというコミットメントに変わりはない。

問 総裁自身は19年度ごろに2%を達成すると思っているのか。

答 その可能性が高いと私は思っている。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]