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北朝鮮「非核化」、範囲・手順で火種も

【ソウル=鈴木壮太郎】27日の南北首脳会談の最大の焦点は、北朝鮮が非核化の意思をどこまで明確に示すかだ。非核化の範囲と手順を巡っては、米韓と北朝鮮との間に隔たりがある。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が金正恩(キム・ジョンウン)委員長との直談判で、どれだけ譲歩を引き出せるかが会談の成否を占う。

「北朝鮮が示した非核化の意思を両首脳がどの水準で合意し、どんな表現で明文化できるか。正念場だ」。記者会見した任鍾晰(イム・ジョンソク)大統領秘書室長は26日、非核化は実務者レベルでは詰め切れず、両トップの直接対話にかかっているとの見方を示した。

金正恩氏は3月、訪朝した韓国特使団に「体制の安全が保証されれば核を持つ理由はない」と伝え、「直接会い、話しあえば大きな成果が出せる」とのトランプ米大統領あてのメッセージを託した。ただ、問題は北朝鮮が指す「非核化」が、韓国や米国が意味する内容とは違うことだ。北朝鮮の主張は「朝鮮半島の非核化」にある。

在韓米軍は1991年に戦術核を撤去したが、北朝鮮は信じていない。2016年の政府報道官声明では、非核化を受け入れるには米国も韓国から核兵器を撤収する必要があると主張。米軍の核兵器の公開と検証、在韓米軍の撤退を要求した。「北朝鮮の非核化」を追求する米韓とは相いれない。

手順を巡るギャップもある。「段階的で同時的な措置をとるなら半島の非核化問題は解決できる」。3月25~28日に訪中した金正恩委員長は習近平(シー・ジンピン)主席に伝えた。「段階的」の一言からは手持ちのカードを小出しにし、1枚切るごとに対価を求める北朝鮮の常とう手段が変わっていないことがうかがえる。

一方、米国が求めるのは完全で検証可能かつ不可逆的な核放棄(CVID)だ。それを確認してはじめて経済制裁を解除し、国交正常化につなげる手順を念頭に置いているとみられる。

米国が主導した2003~04年のリビアの非核化では、カダフィ大佐が米英両国との秘密交渉を経て、核を含む大量破壊兵器の放棄を宣言。国際原子力機関(IAEA)の核査察を受け入れ、2年半かけて米国と国交を樹立した。

安全保障担当の大統領補佐官に就任したボルトン氏はかねて北朝鮮に関し「リビア方式」による非核化を唱えてきた。リビアは2011年に体制が崩壊。北朝鮮はリビアを非核化の失敗事例と見なしており、すんなり応じるとは思いにくい。

韓国の文大統領は19日の韓国報道機関幹部との会合で「非核化の概念で違いがあるとは思わない」と期待感を示している。

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