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ドイツ銀、欧州回帰 投資銀部門をリストラ

2018/4/26 19:00
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【フランクフルト=石川潤】ドイツ銀行が3期連続で最終赤字を計上し、瀬戸際に追い込まれている。経営難の温床とも言える投資銀行部門をリストラし、一段と海外事業を縮小すると26日に発表した。米リーマン危機前、世界一ともてはやされた成長戦略が逆に経営の足を引っ張り続けていた。今回、欧州域内で商業銀行業務に経営資源を集中すると表明し、経営再建へ正念場を迎えた。

今回、事業モデルの転換を打ち出したきっかけは4月8日にクライアン最高経営責任者(CEO)を更迭し、ゼービング氏を新CEOに指名したことだ。内紛とも映るせめぎ合いを経て、後手に回っていた経営再建策作りに重い腰を上げた。

ドイツ銀は欧州の名門銀行と言えるほどの力強さを失ってしまった。同日発表した2018年1~3月期の決算も最終利益は1.2億ユーロ(約160億円)で前年同期の約5分の1に沈んだ。

2017年の通期決算が赤字だったのも、米国の法人税改革に伴い、繰り延べ税金資産を取り崩したため。投資銀行部門は債券や株式のトレーディング収入が下げ止まらず、18年1~3月期は収入が1割以上減った。経費はかえって増え、税引き前収益が4分の1近くに急減した。収益力に厚みがなく、突発的な下振れ要因で赤字となるじり貧の状態。かつて邦銀が再編や公的資金に追い込まれた風景と似通う。

ゼービングCEOも投資銀行部門が「十分な強さを持っていない」と認める。「断固として行動しなければならない。もう時間がない」との訴えからは悲壮感すら漂う。

ドイツ銀行は今後、欧州企業などとの取引を経営の核と位置づける。一方で債券や株などのトレーディング部門は縮小し、米国やアジアもリストラを進める。

今回の事業改革は人員削減がポイントだ。長期的な競争力を確保するため、ゼービング氏自身「痛みを伴うが、残念ながら避けられない」と語る。米モルガン・スタンレーが2013年、いち早くリストラに着手し、株価が直近の底値だった16年2月から2.3倍に急上昇したのと対照的だ。ドイツ銀はしがらみを断ち切るのが遅れ、追い込まれる形でリストラに動いた。

2016年秋、ドイツ銀は信用不安に襲われ、世界を騒がせた。投資銀部門の縮小に取り組んだが、市場が納得しなかったからだ。今回、クライアン前CEOを更迭したのは、決断力のなさが理由とされる。

商業銀行部門の中心フランクフルトと投資銀行部門の中心ロンドンの確執も伝えられる。一部には経営トップが投資銀行部門を完全に掌握できていないとの見方もある。

しかし、ドイツ銀の企業統治は監査役会が最高意思決定機関で、アハライトナー会長が実権を握る。5月の株主総会を前に、一部の株主は会長の解任を要求する。そもそも今回の発表も株式市場の反応は微妙。足元の業績の悪さが鮮明になり、市場の評価は芳しくない。株価の下落傾向に歯止めを掛けなければ、会長の責任追及の流れができ、さらなる混乱が起きる可能性もある。

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