片づけ楽々!「夫婦で30平米」でも我慢ゼロの暮らし

本当に大切なモノだけに絞り込むと、家の中も気分も、すっきりして心地よく暮らせます。そんな「小さな暮らし」を実践している人に、豊かに暮らすためのヒントを聞きました。
管理するモノを減らすと気持ちに余裕ができる

夫の転勤などで、6軒の家に住んできた柳本あかねさん。現在は都内の約30平方メートルのマンションに、夫婦と猫1匹で暮らしている。「これまでで一番小さな家ですが、私たちには十分なサイズ。引っ越すたびに不要なモノを減らし、大切なモノが残りました」。明るい部屋は、居心地の良いホテルのようにすっきり!
自分たちが家でしたいことは何かをよく考えて、置くモノを選んだ。「2人とも外では仕事に集中したいタイプ。家では、リラックスする時間を大切にしています」。愛着のある家具から定位置を決め、趣味の読書やお茶の道具など、"暮らしが楽しくなるモノ"を優先して、生活道具は最小限にした。「管理するモノが少なくて、気持ちに余裕ができます。狭くてすっきりした部屋は、掃除もラクです」
【モノとの付き合い方】
暮らしが楽しくなる必需品を厳選。空間にもモノにもムダがありません
小さな家で暮らす際に、我慢せずに済むコツは、愛着のある必需品を無理に手放さないこと。「キッチンツールや掃除道具、コスメ、文具などの生活用品はミニサイズを選べば、種類を減らさず、必要なモノを持てます」
あえて大きなちゃぶ台を多目的に使い回す
狭い部屋には小さな家具を、と考えがちだが、あえて直径約1.6メートルの大きなちゃぶ台を配置。食事、パソコン作業、ミシンかけにも活躍する。「程よい距離感が生まれ、夫婦で別のことをするときにも、互いが気になりません」
大切なモノは無理に手放さない

くつろぎ時間に欠かせないコーヒーやお茶の道具は、リビングの一等地に。電気湯沸かし器やカップもまとめて置いておくと、いれてから飲むまでの流れがスムーズになる。日本茶は柳本さん、コーヒーは夫の担当。
調理道具をミニサイズにする

しゃもじやおたま、トング、茶こしなどの調理道具は、引越しを機に一般的なモノの半分程度のサイズに変更。「収納がコンパクトになる上に、力いらずで使いやすい。感触も軽く、調理がラクになりました」
買い置きはゼロ。必要時にのみ購入
住んでいるのは、2人の通勤に便利な都内の中心地。徒歩圏に遅くまで開いているスーパーやコンビニ、昔ながらの八百屋や魚屋、雑貨店まで充実。「食材や生活道具は買い置きせず、その都度、必要なものを買い足します」
コスメや掃除道具もサイズダウン
基礎化粧品をはじめ、コスメ用品はトラベルサイズを。「鮮度の良い状態で使い切れて、肌トラブルもなし」。掃除には重曹と酸素系漂白剤とを使い分け、100均(100円均一ショップ)で買える小さな粘着ローラーや、シンク用のミニたわしを愛用。
使用頻度の低いものはトランクルームへ
現在のマンションは、1世帯に1.5畳のトランクルーム付き。「冠婚葬祭やオフシーズンの服、季節家電など、使わないモノを収納し、必要に応じて出し入れしています」。上手に活用すれば、住まい選びの選択肢も広がりそう。
鍋やフライパンも小さく、3種類に
直径18センチのル・クルーゼ片手鍋は、小さな2口コンロにもぴったり。「煮物や炒め物に使うほか、ご飯もおいしく炊けるので、炊飯器は手放しました」。他の鍋は直径21センチの蓋付き深型フライパン、ミニサイズのフライパンのみ。
【片づけ&掃除】
集中収納でリビングはスッキリ。毎日の掃除も苦になりません
狭い空間なのにモノが少なく見える理由は、ほとんどすべての生活用品を1.5畳のウオークインクローゼットに集中収納しているから。「置き場所が1カ所だと、"あれはどこ?"と探すことがないのもメリット」
収納は1.5畳に集中。扉は開け放しておく
本や衣類、趣味の着物、アクセサリー、メイク道具、文具、工具、ミシン、防災グッズ、掃除機などを収納。扉を常に開けておくのは、「リビングが開放的に感じられるのと、収納の整頓に気を配りやすくするのが狙い」。
趣味の本は棚4段に絞り込む

2人の共通の趣味は読書。本は、クローゼット奥の共有本棚にまとめて収納している。「新刊もどんどん買うので、4段の棚が満杯になったら、その都度2人で必要な本を見直して、手放すものは古本屋に売ります」。
ハンガーは35本。それ以上服を持たない
2人分の季節の洋服は、イケアのトップス用ハンガー35本、ボトムス用の8本にかけられる数まで。「ハンガーに空きがあれば、出合った欲しい服を迷わず購入。空いていなければ、持っている服と入れ替えを検討」
季節ごとに洋服の役目を検討する
洋服は手入れをして長く着ることがほとんど。ハンガーと収納ボックスの7割を超えそうになったら、手放すものを検討する。「収納に余裕があっても、季節の変わり目には定期的に洋服を見直して、新鮮なワードローブを保ちます」
間仕切りは使わず「照明」で仕切る
リビングとベッドとの間に間仕切りを立てると部屋が狭く感じられるので、照明を活用して仕切る。部屋全体を照らす大きめのペンダントライトを中央に、2つのスポットライトをソファ側とベッド側に向けて取りつけ、リモコンでオン・オフする。
掃除には手拭いが大活躍
手拭いを10枚ほど、カゴに入れて常備して、食器拭き、台拭き、雑巾にと区別なく使い回す。「手拭いは省スペースになるし、乾かしやすい点もいい。使って汚れたら、すぐに洗って干します。心置きなく使えて、部屋を清潔に保てます」

【食べ物&食べ方】
今日食べるものは今日買う。食材のムダもなくなります
2人とも帰宅が遅いので、夫婦がそろう日にはなるべく、食事を楽しむ時間を大切にする。料理中や食後もリラックスして過ごしたいので、食器や道具は最小限に抑え、食洗機も活用。食材は、その日に食べる分を買い、使い切るのがルール。
冷蔵庫はいつもスカスカな状態
冷蔵庫は110リットルのひとり暮らしサイズ。買い物直後は満杯になるが、毎回食材を使い切るので料理後はほぼカラになり、拭き掃除もラク。「食材を使い回せていると感じて安心できます」
毎日の買い物はミニトートで

1回の買い物はミニトートに入る分だけ。野菜は1個売りや小分けのもの、食パンは2~3枚入りを割高でも選ぶ。「過剰に買って『早く食べないと』とせかされるよりも、ゆったりと過ごせるほうを優先します」
調味料もミニサイズに
基本の調味料や油、ナンプラーなど、自分たちの好みの味つけに必要な調味料はそろえている。バターやソース、ケチャップはお弁当用などの少量タイプ、ゴマやカツオ節は小分けのものを選び、鮮度を保って最後まで使い切る。
ラップや保存用ジップ袋もミニサイズ
余った食材や乾物類はミニサイズの保存用ジップ袋に入れて、冷蔵庫で保存。新鮮なうちに食べ切る。狭いキッチンに無理なく置けるように選んだミニサイズのラップは、手持ちの食器にぴったりのサイズ。
お米は1kgで買い、冷蔵庫に保存
冷蔵庫内の生鮮食料品は必要最小限なので、余裕のある野菜室に、米やお茶といった保存食品を入れておく。少量買いで鮮度を保つ。冷凍庫にはカットフルーツやパン、コーヒー豆など、「日常のぜいたく品」を保管している。
おかずの作り置きはしない
食材をまとめ買いしておかずを作り置きする生活を試したが、「おかずが傷む前に食べなきゃ」「残った食材を何かに使わなきゃ」と、逆に負担に。「食べたいときに食べたいものを作るほうが、性に合ってラクだと気づきました」
食器やカトラリーは必要最低限に
たくさん持っていた来客用やサイズ違いの食器、カトラリーはほとんど処分した。残ったのは2人分のカトラリーと、大・小・深・平の食器数種類を2つずつ。メイン使いの食器は「ボダム」の白。和洋中どんな料理にも合う。

グラフィックデザイナー、二級建築士。お茶とお酒のカフェバー「茜夜」(東京・千代田区)店主。日本茶インストラクターの資格を生かして講座も開催。近著は『小さな家の暮らし』(エクスナレッジ)。
(ライター 渡辺満樹子、写真 福岡 拓、間取りイラスト 藤井昌子)
[日経ウーマン 2018年5月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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