フィリピン、リゾート地ボラカイ島を閉鎖 最大6カ月間
【マニラ=遠藤淳】フィリピン政府は26日、観光客に人気のリゾート地の中部ボラカイ島を閉鎖した。ホテルなどからの排水が環境を汚染しているとして、ドゥテルテ大統領が閉鎖する方針を決めていた。最大6カ月間、観光客の立ち入りを禁じ、環境対策を施す。
ボラカイ島は北部ルソン島にある首都マニラの約300キロメートル南に位置する小さい島で、年間約200万人の観光客が訪れる。空港がある隣のパナイ島の港に検問所を設け、観光客がボートで渡れないようにした。
同島ではビーチがある狭い範囲にホテルなどが密集し、違法に建設された施設もある。一部施設から下水が海に垂れ流され、環境汚染が深刻化。ドゥテルテ氏は2月、「汚水だめのようだ」と述べていた。
今後、違法建築物を撤去、排水処理施設を整備するなどして環境を改善する。順調に進めば閉鎖期間を3~4カ月に短縮する方針。ただ、ホテルなどの観光業への打撃も大きく、約3万人が職を失うとされており、ボラカイ島では閉鎖に抗議するデモも起きている。
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