2019年3月27日(水)

クボタ、技術者底上げへ専門40講座 海外展開を加速

コラム(ビジネス)
2018/4/26 11:30
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クボタが若手技術者の技術力底上げを急ぐ。2022年度までに技術系の採用者数を4割増やすのを前に、年内にエンジンや材料の熱処理など約40講座を開設。テーマごとに必要な技術を整理し、担当者が必要な能力を欠く場合には用意した講座で素早く補習できる体制を整える。相次ぐ新製品投入で人員が不足しており、開発から新製品投入までを体系化する。

クボタは主力の農機や小型油圧ショベルなどの建設機械で次世代技術の開発を進める。農機では、全地球測位システム(GPS)とセンサーで自動運転できるトラクターなどを開発している。

自動運転トラクターなど開発作業は複雑になっている

自動運転トラクターなど開発作業は複雑になっている

一方で海外展開の加速で市場ごとに異なる仕様の製品を用意する手間も増えており、新製品の研究開発を担う人材は慢性的に足りなくなってきた。同社はエンジン耐久試験や車体の振動テストなどの外部委託を拡大する一方、自社の技術者の育成にも本腰を入れる。

新たに設ける講座は技術者の50%強を占める35歳未満の若手が対象で、主に堺製造所(堺市)で開く。材料の熱処理やエンジンの搭載方法、金属疲労、油圧システムなどについて中堅従業員が過去の失敗事例を踏まえて教える。一つのテーマについて90分や半日の講座を複数回用意し、業務の合間に受講できるようにする。一部の講座は既に講義を始めている。

開発プロジェクトごとに技術者に求める知識やレベル、内容を整理。技術者のレベルやこれまでの経歴も登録する。プロジェクト参加者の技術が一定の水準に達していない場合、すぐに分かるようにする。基礎研究や開発の遅れを放置すれば、最悪の場合は新製品の投入時期の先送りにつながる恐れがあるからだ。

たとえば、エンジンは環境規制の強化により高温となる排ガス処理装置の搭載が増えている。新しいエンジンの能力に問題がなくても、載せる場所や方向を間違えるとエンジンや車体の修正が必要となる場合があった。

同社は世界市場の開拓に向け、新機種の開発に力を入れている。これまでは国内の水田向け農機を中心に成長してきたが、国内の農業市場は大幅な成長が見込めない。より市場規模の大きい海外の畑作向けを成長分野と位置づけている。

22年度の新卒と中途を合わせた技術系の採用数は17年度と比べて4割増やす計画。個々に技術レベルや得意とする分野にバラツキがあるなか、効率的に連続して製品投入を続けるには体系化された研修体制が欠かせないと判断している。

(大阪経済部 中尾良平)

[日経産業新聞 2018年4月26日付]

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