日本電産、米ワールプールの冷蔵庫部品事業を買収

日本電産は2019年度中に米家電大手ワールプールから冷蔵庫部品メーカーのエンブラコを10億8千万ドル(約1170億円)で買収する。同社のM&A(合併・買収)としては17年に買収したエマソン・エレクトリックの事業(12億ドル)に次ぐ2番目の規模で、58件目となる。ハードディスク(HDD)用モーターを主力としてきたが、家電の省エネ化部品事業を強化する。
エンブラコは冷蔵庫の基幹部品で空気を圧縮するコンプレッサーを開発・製造している。日本電産は省エネ型のモーターを強みとしており、両部品を組み合わせて製品を供給できるようにする。共同購買によるコスト低減にもつなげる。特に欧米や中国で強まる白物家電の環境規制の需要を取り込む。
日本電産は17年にも冷蔵庫部品を手掛ける独電機大手セコップグループを約220億円で買収するなど白物家電部品に力を入れている。
日本電産は2020年度に連結売上高を2兆円に拡大する目標を掲げている。特に家電や自動車、ロボット部品などモーター事業の多角化を図っており、買収の積極的な活用で生産・開発強化のスピードアップにつなげる。