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成田からバンコクへ片道1万円で、タイのLCC

タイの格安航空会社(LCC)ノックスクートは23日、成田―バンコク路線を6月1日に新規就航すると発表した。増加するタイからの訪日客やタイへ旅行する日本人観光客などの需要を取り込む。日タイ間など航続距離が比較的長い国際線でもLCCが徐々に増えている。割安運賃の路線が消費者に身近となる一方、大手とLCCとの競争も激しくなりそうだ。

都内で記者会見したノックスクートの坪川成樹日本支社長は「就航によりインバウンドだけでなく、日本からのアウトバウンドも盛り上げていきたい」と語った。

同社が日本路線を就航するのは今回が初めて。成田とバンコクのドンムアン国際空港を結ぶ路線は1日1往復で運航し、1便当たりの座席数は合計で415席となる。税抜きの最低片道運賃は9800円だが、就航記念の片道キャンペーン価格は税込み9500円。

日本とタイを結ぶ路線は観光需要だけでなくビジネス渡航の需要も高まっており、航空大手も増便などで強化している。LCCも路線を充実させることで需要の喚起や競争の激化が進む。ノックスクートのギャン・ミン・トー副最高経営責任者(CEO)は「今後1年のうちに成田に加えて1~2都市に就航したいと考えている」とも明らかにした。関西国際空港などが有力だ。

LCCが運航する中長距離の国際線は日本でも増えており、関西とホノルルを結ぶ線などが就航した。ANAホールディングスも傘下のピーチ・アビエーションやバニラ・エアが20年までに日本から片道7~9時間程度の中距離LCCの就航を計画する。消費者にとってはアジアを中心に、航空便の選択肢が今後も広がりそうだ。

ノックスクートはシンガポールのLCCであるスクートとタイのLCCであるノックエアの合弁会社。バンコクのドンムアン国際空港を拠点として、中国や台湾など中長距離の国際線LCCを運航している。

ノックスクートは設立された2014年から日本や韓国への路線展開する戦略を打ち出していた。ただし国際民間航空機関(ICAO)が、タイ航空当局の安全審査体制に不備があるとの監査結果を公表。これにより日本はタイの航空会社の新規就航や増便を控えていた。17年にタイ当局の安全への懸念が解除され、今回の就航に至った。

(志賀優一)

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