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新天地NYに戸惑い? 悩める主砲スタントン
スポーツライター 杉浦大介

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2018/4/23 6:30
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米大リーグで2017年のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に輝き、オフにヤンキースに移籍したジアンカルロ・スタントンが苦しんでいる。今季、開幕直後から三振の山を築き、地元ファンからも毎試合のようにブーイングを浴びる始末。トップクラスのパワーを誇るスラッガーは今後、新天地でも実力を出せるのか。

「僕たちはみんな同じ目標を追いかけている。きょうは勝てなかったけれど、僕がチームを助け、貢献できたことはよかった」

20日(日本時間21日)のブルージェイズ戦で久々のホームランを打ち、試合後のクラブハウスでスタントンは安堵の表情を浮かべた。

この日の四回、マルコ・エストラーダから放った一発は実に50打席ぶりの本塁打。昨季59本塁打を放った大砲が、それまでわずか3本塁打だった。鳴り物入りの移籍1年目で大きな注目を浴びているとあって、スタントンが落ち着かない時間をすごしていたことは想像に難くない。

3月29日、ブルージェイズとの開幕戦ではいきなり特大の2本塁打を放ち、ファンの度肝を抜いた。しかし、スタントンはすぐに不振に陥った。4月3日のレイズとのホーム開幕戦では5打数5三振、8日のオリオールズ戦でも7打数無安打5三振。特にホームでの当初の8試合では、実に打率8分6厘(35打数3安打、20三振)と低迷した。

地元ファンからもブーイング

これほどまで"大型扇風機"の状態では、もともとせっかちな地元ファンが厳しく反応するのは仕方ない。14年オフにマーリンズから13年総額3億2500万ドルという途方もない契約を受け取ったスーパースターに、すぐにとてつもないブーイングが浴びせられるようになった。

「僕が何を予測していたと思う? (三振ばかりで)喜んでもらえるはずがないことはわかっていたよ」

観客から罵声を浴び続けていたころ、スタントンも自嘲気味にそう語っていた。こうした冷静な言葉とは裏腹に、慌てたようにボール球に手を出すシーンも頻繁にあった。早く結果を出したいという思いから、悪循環に陥っているようにもみえた。

昨季、本塁打王と打点王の2冠に輝き、通算267本塁打を放ってきたスタントンは、紛れもなく現役最高のパワーヒッターである。ただ、もともとは調子の波が大きい打者であり、不振が長引くのはいまに始まったことではない。16年にも5月7日から6月12日まで打率1割1分2厘(98打数11安打、47三振、2本塁打)という打撃の長期低迷を経験している。

今春の米東海岸は異常な寒さに襲われ、打者にとっても厳しい環境だ。条件はどの選手も同じだけに言い訳にはできないが、温暖なカリフォルニア育ちで昨季までマイアミでプレーしてきたスタントンが、少なからず気象の影響を受けているとしても驚きではない。

加えて、常に騒がしいニューヨークという大都会のチームに移ってきて、これまで以上のプレッシャーを感じている部分もあるのだろう。

「シンプルに取り組むように心がけている。雑音を可能な限り遮断して、(ベースボールはもともと)子どもがプレーするゲームだということを思い出すようにした。子どものころのことを思い出そうと努めた。準備して、あとはなるようになるんだ」

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