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SNSで"即席登山パーティー" 事故にご用心

今年3月、東京都奥多摩町でSNS(交流サイト)で集まった即席の登山グループによる遭難事故が発生した。登山ブームの中、山登り仲間を募るサイトが次々に登場。気軽に仲間を募り、登山を楽しむ人が増えているが、専門家は「互いの技量や登山計画の確認がおろそかになりやすく、重大な事故を引き起こす危険もある」と注意喚起している。

「雪で下山できなくなった」。3月21日夜、東京都奥多摩町の山中から119番があった。警視庁などは同22日、遭難した10~40代の日本人と中国人計13人を救助。全員命に別条はなかったが骨折などの重傷者が出た。

13人は中国人向けSNS「微信(ウィーチャット)」上で数日前に知りあったばかり。登山経験数回の人が多く大半が初対面だった。現場では雪が降っていたが、全員が軽装で、多くは登山靴を履かず、ストックも持っていなかったという。

メンバーの一人は「このぐらいなら大丈夫だと思った」と説明したが、同庁幹部は「一歩間違えば大事故につながりかねない危険な状況だった」と振り返る。

「六甲山から北アルプスまで 山歩き仲間募集」「突然ですが、登りたくなり書き込みました」――。登山者向けのSNSには仲間を募る投稿が数多く寄せられる。一方で「初心者お断りのイベントに初心者が参加し、岩場を勝手に下りて動けなくなり、大変な思いをした」「木の根を踏んで滑落し、初対面の相手に迷惑をかけた」といった"ヒヤリ・ハット"事例の書き込みもある。

日本生産性本部の「レジャー白書」によると、2016年の国内の登山参加人口は推定650万人。ネット上で登山情報が簡単に手に入るようになり、登山ブームが続いているが、警察庁によると、全国では同年に約2500件の山岳遭難が発生。10年間で約1千件増えた。

登山者向けコミュニティーサイトを運営する「ヤマレコ」(長野県)の的場一峰社長は「SNSで知り合った程度の人だと、互いの登山技術や体力を十分に把握できない。初心者ばかりが集まった場合、緊急事態に対応できない恐れがある」と指摘。ヤマレコでは登録者の登山履歴が確認できるなど、他人のレベルを判断しやすくしているという。

山岳遭難の防止に役立てるため、登山ルートごとに技術的な難易度などを示した「山のグレーディング」を公表する自治体も増えている。

日本山岳・スポーツクライミング協会の尾形好雄専務理事は「遭難した際、救助隊がいち早く救出に向かえるよう、連絡先や登山ルートを書いた登山計画書を必ず登山口のポストに投函(とうかん)してほしい」と指摘。「登山計画書を書くことは山登りのプランをしっかりと考えることにもつながる。ネット上で提出できる自治体もある」と話している。

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