「全ての弾道ミサイル廃棄を要求」、米朝首脳会談で日米防衛相が一致
【ワシントン=永沢毅】訪米中の小野寺五典防衛相は20日、国防総省でマティス国防長官と会談した。北朝鮮の完全かつ検証可能で不可逆的な方法による核放棄に向け、最大限の圧力を維持することで一致。6月初旬までに予定する米朝首脳会談では、日本を射程に入れる中・短距離も含めた全ての弾道ミサイルの廃棄を北朝鮮に求める方針を確認した。
マティス氏は日本人拉致問題について「重要な問題だ」と述べ、米朝首脳会談でも取り上げると改めて語った。
防衛相は会談後、記者団に北朝鮮の非核化の期限について「一定の区切りがあるのは当然だ」と述べた。先の米英仏によるシリアのアサド政権に対する攻撃に関しては「大量破壊兵器に強い姿勢を示すという意味でいうと、北朝鮮への強力なメッセージになった」との認識を示した。
米朝首脳会談では、トランプ氏が米本土を射程に入れた大陸間弾道ミサイル(ICBM)の廃棄だけを重視し、米国の直接の脅威とはならない中・短距離の弾道ミサイルを顧みない可能性が指摘されている。
また、防衛相は会談で事故が多発している在日米軍の安全な運用確保を要請。マティス氏は「飛行の安全確保が重要だ」と述べ、地元の理解を得るための取り組みで協力することで一致した。