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製薬大手アラガン、シャイアー買収撤回 株価急落で

(更新)

【ニューヨーク=西邨紘子】武田薬品工業が買収を目指している同業のシャイアーを巡って19日、対抗買収の検討を発表したアイルランドに本社を置く製薬大手アラガンが数時間後にそれを取り下げるドタバタ劇があった。対抗買収の検討が伝わると市場では株価が急落。株主の理解を得るのが難しいと判断したとみられる。6兆円規模と高額なシャイアー買収は欧米製薬大手にとっても、飲み込みにくい「薬」のようだ。

シャイアーは希少疾患向け治療薬などに強みを持つ。日本時間19日に、武田薬品工業が6兆5千億円で買収を提案したが、価格が低すぎると拒否された。米時間の同日午前中にロイター通信がアラガンがシャイアー買収を提案を検討していると報じ、その後アラガンも買収提案の検討を正式に発表した。だが、株式市場では報道が出た直後からアラガンの株価が急落、一時は前日終値比で8%超の下げ幅となった。

午後に入り、ロイター通信はアラガンのブレント・サンダース最高経営責任者(CEO)が財務悪化を懸念した「一部の株主の反対を受け、買収検討取りやめを決めた」と報道。アラガンの広報担当者は当初「(報道の)真偽を含め何もコメントできない」と答えたが、まもなく正式に取りやめを発表した。

シャイアーは1986年の設立。当初から治療の選択肢が少ない希少疾患を中心に積極的な事業買収を繰り返して規模を拡大した。16年には米バクスターから分社したバイオ医薬バクスアルタを320億ドル(約3兆4千億円)で取得。売り上げ規模をほぼ倍増し、血友病の治療薬で業界大手となった。

シャイアーの魅力は高い収益力だ。希少疾患は一般に競合薬が少なく、価格が高くても需要が見込める。「シャイアーが希少疾患事業に焦点を絞っていることはポジティブ要因」(ムーディーズ・インベスターズ・サービス)。14年には米バイオ医薬大手アッヴィと約540億ドルの買収で合意したが、租税回避目的と見なした米政府の税制変更で破談となった。

武田は19日に声明を出し、交渉状況を説明した。シャイアー株1株につき17.75ポンドの現金と、28.75ポンドに相当する武田の新株を対価とする買収を12日に提案した。合計で46.5ポンドと、シャイアー株の18日終値を24%上回り、総額6兆5千億円となる。

シャイアーの取締役会は価格が低すぎると提案を拒否したが、武田は協議を続ける意向を示している。シャイアーが上場する英国の規則により、ロンドン時間25日夕までに買収に踏み切るかどうかを正式に表明する。

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