2019年4月26日(金)

鴨川市、住民無作為に選び協議会 公共施設の活用議論

2018/4/19 22:30
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無作為に選ばれた幅広い年齢層の住民に、廃校跡など公共施設の活用策や地域の活性化策について話し合ってもらう試みが千葉県鴨川市で始まった。地域活動に熱心な住民だけでなく、普段は行政と距離を置く「普通」の人々の声も取り入れ、ニーズに合った地域の将来像をさぐる。

100人会議には幅広い年齢層の住民が参加している(3月17日、千葉県鴨川市内)

「街なかにはお店が少なく若者が集まる場所がない。『インスタ映え』するスポットも思いつかない」(高校2年生の女性)

「『小湊地区の七不思議』など地元の観光資源をもっと対外的に発信できれば面白い」(65歳の男性)

3月中旬、2019年春に廃校を予定する小湊小学校で校舎などの今後の有効利用策を話し合う「100人会議」の初会合が開かれた。メンバーに選ばれた住民たちは小学校のある小湊地区の現状や課題について率直な思いを語り合った。

中心メンバーには10~80代の市民のなかから1200人を無作為で抽出し、参加の意思を示した住民を起用。地元の観光団体や地域団体の代表も加えて、100人会議を立ち上げた。

「日蓮上人ゆかりの地域資源をどう位置づけるか」「海と山の優れた自然をどう生かすか」などテーマ別の分科会で具体的な議論を進め、9月まで5回の会合を重ねる。100人会議がまとめる小湊区域の活性化案を受け、鴨川市は地域振興につながる施設の活用策を打ち出す方針だ。

会議の運営には政策シンクタンクの構想日本が協力している。自治体の事業仕分けや総合計画の策定などに無作為抽出の住民が参加する例はあったが、「小学校の跡地利用といった具体的なテーマに取り入れるのは全国的にも珍しい」(構想日本)。総合計画など「総論」に比べ、小学校の跡地利用といった「各論」は関係住民の思いや利害が衝突しやすいためだ。

鴨川市の亀田郁夫市長は「市民の意見を聞くときは一般的に『声の大きい人』が目立ちがち。さまざまな住民に地域の課題を自分の問題として考えてもらい、行政と住民が一つとなって生きた街づくりを進めたい」と期待を寄せる。

市の人口は1日現在で3万2789人。人口が最も多かったのは戦後間もない1950年の4万8571人で、70年近くにわたり住民が減り続けている。貴重な「人的資源」である住民一人ひとりが地域の将来を考えるきっかけをつくり、街の衰退を抑えたい考えだ。(下村恭輝)

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