2019年2月17日(日)

米政府、豚肉輸出で揺さぶり? 「日欧EPAは脅威」

2018/4/19 20:50
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米農務省は17日、「日本と欧州連合(EU)の通商協定は米国産豚肉の対日輸出に脅威」と題するリポートを発表した。日米首脳会談のタイミングに合わせ、日欧の貿易協定を取り上げた格好だ。日本の畜産業界には日米通商交渉に向けた揺さぶりとの見方も広がる。

過去5年で米国産豚肉の対日輸出額は15%減った

日欧がEPAで大枠合意したのは2017年7月。今になって米政府が「脅威」とアピールする背景には、今回の日米首脳会談で通商が主要議題の一つとなったためだ。

米農務省は今回「TPPと同様に日欧EPAは米国の市場シェアを脅かし、収入の20%強を輸出に頼る米国の豚肉生産者に打撃となる」と分析した。EPA発効はこれからだが、リポートでは既に欧州産豚肉が日本市場でシェアを伸ばしていると述べた。過去5年で米国産豚肉の対日輸出額が年間16億ドルと15%減る一方、欧州産は30%増の同16億ドルに拡大。「日本の輸入豚肉でトップだった米国に追いついた」と強調した。

米国産豚肉は比較的高価な冷蔵品で優位な半面、欧州産は冷凍品で輸出を伸ばしてきた。日欧EPAでは加工していない豚肉については差額関税制度を日本が維持する一方、豚肉調製品は関税を引き下げていくものもある。ベーコンやソーセージの原料肉で、欧州が更に優位となる可能性を米農務省は指摘した。

日本養豚協会(東京・渋谷)の志沢勝会長は、将来的に欧米それぞれの豚肉の関税引き下げに警戒する。「食料安保の観点からも自給率50%を維持すべきだ。輸入品が急増してからでは遅く、今から危機感を持って対応する必要がある」と話す。

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