「心配しながら見守る」 めぐみさん母、米朝会談に
北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさん(失踪当時13)の母、早紀江さん(82)が19日、東京都内で支援者の集会に参加し、トランプ米大統領が日米首脳会談で、拉致問題を米朝首脳会談の議題に取り上げると明言したことについて「望みを少し持てているが、どうなるのかと心配しながら見守っている」と心境を明かした。
キリスト教の支援者が毎月開く「早紀江さんを囲む祈り会」で、あいさつに立った早紀江さんは、安倍晋三首相が15日に体調を崩している夫の滋さん(85)を見舞ってくれたことを紹介。その際に首相は、トランプ氏に問題解決への協力を要請すると約束したという。
早紀江さんは「(北朝鮮の朝鮮労働党委員長)金正恩氏が心を向けてくれることを毎日祈っている。皆さんもいい方向に行くようお祈りください」と訴えた。
首脳会談での成果を期待する声はほかの被害者家族からも。増元るみ子さん(同24)の弟、照明さん(62)は「これまでの大統領と比べて解決への意欲は感じられた。あとは最終的な帰国まで、どこまでやれるかだ」と強調。米朝首脳の直接対話について「最後のチャンスだから、期待するしかない」と話した。
鳥取県米子市の拉致被害者松本京子さん(同29)の兄、孟さん(71)は「米国が協力してくれるのは今までとは違う心強さがある。このまま解決まで、ゴールまでなんとかたどり着いてほしい」と願った。一方、「これまでも希望が見えるたびに裏切られてきた。本当に最後だと思って、政府には気を引き締めてもらいたい」と訴えた。〔共同〕