2019年7月17日(水)

千葉大・富士通、ICTで薬用植物の栽培実験

2018/4/18 22:00
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千葉大学と富士通は18日、漢方薬や健康食品の原料となる植物を効率的に栽培する技術の実証研究を始めると発表した。情報通信技術(ICT)を活用して生育状況をきめ細かく分析。気象条件の変化と照らし合わせ、植物が育ちやすい環境を突き止める。輸入品への依存度が高かった薬用植物の国内栽培を増やし、原料の安定供給や農家の経営改善を図る。

研究期間は18日から2019年3月末まで。千葉大・柏の葉キャンパス(千葉県柏市)の農園と奈良、大分両県の協力農家を栽培拠点とし、冷え症や貧血に効能のあるトウキや血糖を抑えるアカヤジオウなどの薬用植物や機能性植物を育てる。

栽培担当者は畑を回る際にマイクを備えたインカムを装着し、農作業をしながら丈の高さや葉の大きさ、色合いなどの生育状況をスマートフォン(スマホ)に声で吹き込む。音声情報は富士通が構築した栽培データ記録システムに伝達され、人工知能(AI)でデータを自動的に仕分けし、関連する項目ごとに蓄積する。

畑には気温や湿度、地温をリアルタイムで計測する「フィールドセンサー」を設置。千葉大は生育状況に関するデータと気象データを照らし合わせ、生育に適した環境を割り出す。分析結果を基に千葉大は協力農家に栽培方法をアドバイスし、その結果は栽培データ記録システムにフィードバックする。

千葉大は薬用植物の栽培方法や品質基準の確立を目指し、富士通や国内の大学、病院と一般社団法人「日本薬用機能性植物推進機構」を3月に設立。実証試験で得られた知見を生かし、新規参入を目指す農家への技術指導や全国的な「適地適作」の実現を目指す。富士通は栽培データ記録システムの内容を充実させ、農業分野をターゲットとした情報システム事業を強化する。

日本漢方生薬製剤協会の調査によると、国内で使用する生薬のうち国産品の割合は10.2%(14年度時点)にとどまり、大半を中国産を中心とした輸入品に頼っている。これまで薬用植物の栽培技術の改良が進まず「農家が新たに栽培するには課題が多かった」(富士通)という。

一方、医療現場では漢方薬の使用量が年々増加しており、薬用植物のニーズは高い。千葉大と富士通は薬用植物の生育状況と栽培環境の関連性をデータで示し、未経験の農家でも薬用植物を安定的に栽培できるようにする。

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