島津製作所、物体の性質 高速で測定 分析装置の新製品
島津製作所は紫外光や可視光を使って液体や物体の性質などを高速で測る分析装置を開発したと発表した。測定スピードが従来製品に比べ約10倍で、世界最速だという。同種の分析装置は中国など新興国で需要が増えており、製薬関連企業や理科系の大学など教育機関向けに販売する。
同社が開発した装置は紫外可視分光光度計「UV-1900」。サンプルに紫外光や可視光をあて、光の反射や透過の具合で性質や量を測る。測定スピードは1分間あたり最大2万9000ナノ(ナノは10億分の1)メートル。従来製品と異なり高速でスキャンするため、短時間で化学反応するプロセスを捉えられる。装置の表示は英語や中国語などに加え、スペイン語とポルトガル語にも対応。タッチパネルも採用し、操作しやすくした。
分析装置は幅広い分野で活用できることから、研究・開発が活発になっている新興国などで引き合いが増えている。特に、中国は成長市場だ。化学分析機器を手がける米大手、アジレント・テクノロジー社が強く、島津製作所は測定速度を高めた製品でシェア拡大につなげる。2018年度は3300台以上を販売する予定。装置の定価は150万円(税別)。関連機器と連動させるソフトウエアは25万円(同)。
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