日欧EPA、英離脱前の発効にメド
欧州委が協定案採択、議会承認「年末まで」

2018/4/18 19:44
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【ブリュッセル=森本学】日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が2019年3月の英国のEU離脱前に発効するメドがたってきた。EUの欧州委員会が18日採択した協定の最終文案で、加盟国ごとの議会承認が必要で批准に時間を要する投資分野を正式に分離したためだ。早期発効で日欧は自由貿易の堅持を訴える狙い。日英が検討中の自由貿易協定(FTA)にとっても、離脱後の速やかな交渉入りへ追い風になる。

欧州委は6月下旬のEU首脳会議でのEPAの正式承認を目指す。日本側もほぼ同時期に閣議決定する見通しで、7月中旬に日欧首脳が署名する。安倍晋三首相は仏政府から7月14日のフランス革命記念日恒例の軍事パレードへの出席を求められており、それにあわせてブリュッセルで日欧首脳会合を開き、署名する方向で調整している。

日欧EPAは世界の国内総生産(GDP)の約28%、世界の貿易総額の約37%をカバーする。発効すれば、世界で最大級の自由貿易圏が誕生することになる。4年余りの交渉を経て、17年12月に妥結した。

トランプ米政権が鉄鋼・アルミニウムの輸入制限など保護主義的な通商政策を相次いで打ち出す中、日欧はEPAの早期発効で、自由貿易の重要性をアピールする。

日欧は秋にも議会へEPA案を提出する方針。EUで通商政策を担うマルムストローム欧州委員は18日、仏ストラスブールの欧州議会で記者会見し、「すべてが順調に進めば年末までに批准される」との見通しを示した。交渉筋によると、日欧の議会が年末までに批准できれば英国のEU離脱前の発効が確実になる。

英離脱前の発効は日欧双方が目標に掲げてきた。離脱後に発効がずれ込めば、英国がEUに加盟している状態で妥結した協定の見直しが必要になる懸念があるためだ。

さらに、日英は離脱後に日欧EPAをベースにしたFTAの締結を目指している。EU加盟国は通商交渉の権限をEUに一本化しているが、英国は19年3月のEU離脱後は独自に通商交渉できるようになる。離脱前にEPAが発効していれば、速やかに本格交渉をスタートできる。

EPAから切り離した投資家と国家の投資紛争解決制度など投資分野を巡っては、EPAとは別に投資協定などを結ぶ方向で交渉を継続する。通商協定の投資分野を巡っては欧州司法裁判所は17年5月、対外交渉の権限をEUだけでなく、加盟国も共有していると判断。批准には加盟国ごとの議会承認も必要になるため、投資協定の発効にはかなりの時間を要する可能性が大きい。

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