南北「平和協定」締結へ協議 韓国大統領府高官
【ソウル=恩地洋介】韓国大統領府高官は18日、27日の南北首脳会談で朝鮮半島の戦争状態の終結をうたう「平和協定」の締結に向けて協議する方針を明らかにした。韓国政府は首脳会談で北朝鮮の非核化をうたう共同宣言を採択したい考えで、宣言に平和協定の締結に向けた南北の合意事項を盛り込むことを検討。北朝鮮側と詰めの協議を急ぐ構えだ。
1950年に起きた朝鮮戦争の後、北朝鮮と中国、米国を主体とする国連軍は53年に板門店で休戦協定を結んだが、いまだ戦争状態にある。
18日の韓国大統領府高官の発言は、この休戦協定を平和協定に転換する方策を模索するものだ。
2007年の南北首脳会談では「終戦を宣言する問題を推進する」とうたったが、直後に韓国側が保守政権に交代し、実際には前進しなかった。
これに関連し、韓国大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は18日午前の記者会見で、南北首脳会談を巡り「朝鮮半島での敵対行為の中断や、恒久的平和政策、北朝鮮の明るい未来を保証する方法について深く議論する」と述べた。
鄭氏は南北首脳会談の開催後に米韓首脳会談を開いたり、米朝首脳会談後に米朝韓の3者で首脳会談を開いたりする可能性にも言及した。米国側と調整しているという。
これに関連し、トランプ米大統領は17日、27日の南北首脳会談について「韓国と北朝鮮が戦争状態を終結させる話し合いに臨むのを私は支持する」との認識を示した。安倍晋三首相との会談で、記者団を前に語った。

金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。