働く人の「眠り」向上 帝人が健康経営を後押し

帝人は17日、ビジネスパーソンの睡眠の質を向上する企業向けサービスを始めると発表した。寝付きが悪かったり、不眠になったりしている人を対象に、ウエアラブルセンサーで睡眠時の呼吸の状態を計測するなどして解決策を提案。企業が従業員の健康管理に配慮する健康経営を後押しする。2020年度までに500社への導入を目指す。
都内で記者会見した帝人のヘルスケア新事業部門デジタルヘルス事業推進班の浜崎洋一郎氏は、「生活習慣病などの疾患リスクに対して、睡眠からのアプローチが注目されている」と述べた。運動、食事といった健康対策と同様に、睡眠に着目して健康経営に取り組む企業が増えていることに対応した。
従業員が自宅で取り組める8週間のプログラムを用意した。
まず寝付きが悪い人にはスマートフォン(スマホ)のアプリを通じた設問で、生活習慣の改善を促す。「夜中に目が覚めましたか」など70項目の質問に答えることで、利用者が自分の睡眠の状況を確認できる。
ストレスから不眠に陥っている人には、腹部に巻くウエアラブルセンサーを提供する。センサーはイスラエルのベンチャー企業が開発。呼吸の速さや深さを検知し、深呼吸のタイミングを音声で伝えることでリラックスさせる機能もある。就寝後はセンサーの電源が自動で切れ、翌朝にはアプリで眠りの質や状況を確認できる。
睡眠時無呼吸症候群など治療が必要な人には、医療機関による専門的な診断を促す。
サービスの提供価格は価格は従業員の数に応じて決めるが、100人規模で200万円程度を想定している。
帝人は「在宅医療事業で長年培ってきた睡眠科学に関する蓄積がある」(浜崎氏)という。睡眠のほか、うつ病や糖尿病など医療機関との結び付きを生かした様々な治療サービスも拡大している。
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