2019年6月26日(水)

「らしくない」研究所で飛躍 日立金属が新施設オープン

2018/4/16 20:33
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「(新施設の華やかな雰囲気は)日立金属らしくないかもしれないが、とんがった製品を作り出せる」――。日立金属は16日、熊谷工場(埼玉県熊谷市)敷地内に新設した「グローバル技術革新センター(GRIT)」で開所式を実施。平木明敏社長はこう強調し、中長期の先端材料技術の研究開発(R&D)や新事業の創生に向けた意欲を表明した。

開所式で抱負を語る平木明敏社長(16日、埼玉県熊谷市)

新施設には約100億円を投資。生産システム研究所など複数の研究所を同じ建物に配置し、先端材料開発とプロセス開発を融合していく。平木社長は「多くの事業を持つ強みを生かし、事業間に横串を刺して付加価値のある製品を生み出したい」と抱負を語った。

顧客のニーズを発掘したり、研究開発の成果を外部に発信したりする機能も持たせた。外部の研究機関や顧客との交流を深めるため、気軽に話せる「ワイガヤ」スペースを多く設置。「畳に掘りごたつがある部屋もあり、自由に議論してもらいたい」(同社)という。製品展示の仕方にも工夫を加え、同社の事業区分ではなく、製品が実際に使われるシチュエーション別に分けることで、顧客が使うときの状況をイメージしやすくした。

日立金属は特殊鋼や磁性材料などの4カンパニー制を敷く。事業分野ごとに独立した体制を取ることで、迅速な意思決定を心がけてきたが「横のつながりが限定されていた」(平木社長)。

研究所の呼称である「GRIT(グリット)」は「困難にあってもくじけない勇気、気概、やり抜く力」を意味する英単語が由来だという。日立金属が既存製品や金属という枠組みにとらわれず、気概を持って新事業を生み出せるか。GRITの開所が飛躍のきっかけになるかもしれない。

(井上みなみ)

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