2018年9月24日(月)

VISA、「脱・現金」へイオンと連携 レジ10万台でタッチ決済

2018/4/16 21:00
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 ビザ・ワールドワイド・ジャパンとイオンは16日、キャッシュレス決済で連携すると発表した。イオンはグループの国内1万6000店舗以上でクレジットカードをかざすだけで決済できる端末を導入する。決済ビジネスの世界大手と国内の流通最大手のタッグは日本の「脱・現金」のきっかけとなるか。

イオンは2020年までにグループの約10万台のレジに導入する

イオンは2020年までにグループの約10万台のレジに導入する

 「5千円以下の決済はいまだに現金が主流。世界標準の利便性と安全性を実現することで、キャッシュレス化の推進と顧客満足度の向上に貢献したい」。2社の共同記者会見で、ビザ・ジャパンの安渕聖司社長はこう強調した。

 日本ではATM網が発達し、消費者の「現金信仰」も根強い。約8割とされる現金決済比率は先進国の中でも高い。

 現金以外の決済手段では従来はクレジットカードが一般的。なかでも「VISA」ブランドは主役の座を担ってきた。最近ではビザはクレジットカードやスマートフォン(スマホ)のアプリを専用端末にかざすだけで支払いできる「非接触型」決済を世界70カ国以上で展開している。

 店員にカードを渡すことによる悪用を防げ、支払いスピードを短くできるので店の負担も減る。国際標準のセキュリティー認証技術を備えており、クレジットカードが普及する欧米では一般的となっている。

 ただ日本では出遅れていた。流通各社は「Suica」など交通系電子マネーへの対応を優先してきたためだ。

 加えて最近では訪日外国人の増加でアリババ集団の「支付宝(アリペイ)」や騰訊控股(テンセント)が手掛ける「微信支付(ウィーチャットペイ)」など中国発のスマホ決済の導入も進んでいる。

 巻き返しに向けた一手が国内の流通最大手との連携だ。イオンは2020年までに、総合スーパー(GMS)やコンビニエンスストアなどグループ1万6000店以上で対応する計画。

 9月からクレジットカード「イオンカード」で、ビザのキャッシュレス決済機能に対応するタイプを発行し、レジ約10万台を19年3月~20年3月にかけて改修する。ビザ・ジャパンの安渕社長は「イオンに導入いただくことは重要なインパクトがある」と話し、タッチ型決済の定着に期待を寄せる。

 一方のイオンは訪日客の取り込みを狙う。GMSなどを手掛ける中核会社のイオンリテールの岡崎双一社長は「我々のインバウンド(訪日客)関連の売り上げは百貨店などに比べて小さく、開拓余地がある」と話す。

 欧米で一般的なビザのタッチ決済を使える強みを生かし、訪日客に利便性や安全性をアピールする考えだ。

 さらに狙うのがデータの囲い込みだ。足元では自前の電子マネー「WAON(ワオン)」やクレジットカードでの支払いが増えており、イオンリテールではキャッシュレス決済比率が約7割に上る。ただグループ全体では約5割にとどまる。ビザとの連携で25年にこの比率を8割程度まで引き上げる計画だ。

 他社のスマホ決済では購買データなどを詳細に分析できない。自社発行のクレジットカードを使った電子決済であれば、データを自ら収集・分析できる。

 日常的に利用する小売りや外食でキャッシュレス決済の利便性が高まれば、消費者の行動を変える可能性もある。(河野祥平、水戸部友美)

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