2018年10月18日(木)

韓国与党党員に世論操作疑惑 不正ソフトでネット改ざん

2018/4/16 18:37
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【ソウル=鈴木壮太郎】韓国のポータルサイト「ネイバー」で文在寅(ムン・ジェイン)政権を批判する書き込みへの賛同者数を不正にかさ上げしていた容疑者が身内のはずの与党「共に民主党」の党員だったことが明らかになり、事件を巡って与野党の攻防が激化している。経緯が不可解で真相は見えないが、今後影響が広がる可能性もある。

発端は13日付の革新系大手紙ハンギョレのスクープだった。2月の平昌五輪で女子アイスホッケーの韓国と北朝鮮の合同チーム結成が決まったさい、ネイバーに韓国選手の出場機会が奪われると文政権を批判する書き込みが掲載された。

この書き込みに、フェイスブックでいえば「いいね」に相当する「共感」のクリック数が不自然に急増したため、保守勢力による情報操作を疑った民主党は警察に告発。警察が容疑者3人を逮捕したところ、全員が民主党員だったことが判明した。

同紙によると、容疑者らは自動で「共感」ボタンをクリックする不正ソフトを使い、文政権を批判する世論を盛り上げようとした。「保守勢力がどうやって世論工作しているか知らせたかった」と供述しているという。自作自演の政権批判で与党内の危機感を高めようとしたという主張だ。

逮捕された容疑者が文氏の腹心とされる金慶洙(キム・ギョンス)議員とSNSで交信があったことも発覚。金氏は14日に記者会見し、容疑者とのSNSの交信は認めたが、昨年の大統領選期間中「先方から自らの活動を一方的に送ってきただけで、相互にやりとりがあったというのは事実ではない」と関与を全面否定した。

金氏によると容疑者は選挙後に訪ねてきて人事で無理な要求をしてきたが断ったという。「不満だったと思うが、だからといって文大統領を非難・攻撃するのは理解できない」と述べ、犯行は請託を断られた腹いせだと強調。政権や与党の組織的関与を否定した。

朝鮮日報によると、主犯格の容疑者は多くの読者を持つブロガーで、革新系の有力政治家を招請しての講演会を開いたこともある。大統領選期間中は文氏を応援し、金氏にはその見返りとして自らの知人を政府高官に任命するよう働きかけたという。

保守系野党「自由韓国党」は「希代の世論工作事件だ」と政権・与党攻撃に乗り出した。民主党の秋美愛(チュ・ミエ)代表は16日、「政権の責任のようにねじ曲げる野党の低級な政治攻勢には強力に対応する」と猛反発する一方、党内に真相究明のための調査団設置を決めたと語った。

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