2018年7月17日(火)

ミャンマー、ロヒンギャ難民5人が帰還 合意後初

2018/4/15 12:55
保存
共有
印刷
その他

 【ヤンゴン=新田裕一】ミャンマー政府は14日、隣国バングラデシュに逃れていたイスラム系少数民族ロヒンギャの家族5人が帰還したと発表した。政府はバングラ当局と早期の帰還開始で合意していたが、帰還が実現したのは初めて。ただ多くの難民は即時の国籍認定などを求めており、帰還に向けて動き出すかは不透明だ。

ミャンマー西部ラカイン州の施設で、入国管理担当者の書類手続きを見守るロヒンギャの家族5人(14日)=ミャンマー政府提供・AP

ミャンマー西部ラカイン州の施設で、入国管理担当者の書類手続きを見守るロヒンギャの家族5人(14日)=ミャンマー政府提供・AP

 政府の発表によると、帰還した家族5人は14日朝、国境付近に設けられた難民受け入れ施設で身元確認の審査を受け、入境した。政府はコメや毛布などの支援物資を与えた。国籍については「地元当局が法に基づいて審査中」としている。現在は、一時的に親類の家に身を寄せている。

 ミャンマー、バングラデシュ両政府は18年1月までに帰還を開始することで合意したが、政府間の手続きなどで遅れていた。帰還難民の受け入れには、ミャンマー政府としてロヒンギャを国境外に追い出す意図を否定する狙いがある。

 ただ2017年8月以降、ロヒンギャ武装集団に対するミャンマー治安部隊の掃討作戦でバングラデシュに逃れた難民は67万人に達する。多数の村が放火され、難民は治安部隊による集団殺害や性的暴行を訴えている。政府や国民の多数派はロヒンギャを自国の民族として認めていない。

 ミャンマー政府で難民帰還問題を担当するウィン・ミャ・エー社会福祉・救済復興相は11日、難民キャンプを初めて訪問し、ロヒンギャ難民の代表者と面会した。バングラデシュの通信社によると、難民側は国籍の完全な認定を求めて帰還の呼びかけを拒否。周囲ではミャンマー政府を非難するデモ集会が開かれた。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は13日の声明で、「安全で尊厳のある帰還が可能な状況とはいえない」と指摘。難民が確実に元の居住地に戻れるようにUNHCRなどの関与を認めることなどを求めた。

保存
共有
印刷
その他


[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報