シェアハウス運営会社社長が陳謝「不正調査に協力」
女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営し経営破綻したスマートデイズ(東京・中央)の赤間健太社長が14日、都内で記者会見を開き「多大な迷惑をかけた」と陳謝した。スルガ銀行による建設資金の融資を巡り書類改ざんなどが疑われている点に関し「不正が指摘されており、調査に協力する」と述べた。

同社は9日に東京地裁に民事再生法の適用を申請した。14日、物件所有者向けに開いた経緯説明会には数百人が参加。出席者によると「会社側の決定は認められない」などと怒号がとんだ。
説明会後、赤間社長は一連の騒動以来、初めて記者会見を開催。「大変申し訳ない」と陳謝する一方、経営責任について「元社長の大地則幸氏や創業者に一定の責任があったと考えている」と言及。「元社長やスルガ銀行の刑事告訴も視野に入れる」と述べた。金融庁は大半の建設資金を融資したスルガ銀行に立ち入り検査した。
同社のシェアハウスを購入した所有者からは、民事再生ではなく破産管財人の管理下で資金の流れを調べる破産手続きを求める声が出ている。赤間社長は「意見は真摯に受け止める」としながらも「入居者の保護を優先した」と述べた。東京地裁は4月下旬、再生手続きに入るか判断する。
被害者側弁護士によると、スマートデイズの物件は相場より3500万円ほど割高だった。建設会社から同社にキックバック(謝礼金)が支払われ高額契約につながったとの指摘について赤間社長は「金額の妥当性が問われており、調査する」と話した。法律事務所に調査を依頼したという。
一方、被害者側は割高な販売価格の一部が売上高に計上されておらず、不透明な資金の流れがあったと主張している。
赤間社長は親会社オーシャナイズ(東京・港)出身で、4月にスマートデイズ社長に就任した。説明会で経営破綻の理由を問われると「スルガ銀行などに(スマートデイズへの)融資を打ち切られたことが大きい」と話したという。
スマートデイズは所有者の建物を借り上げ女子学生らに転貸する「サブリース」と呼ばれる事業を展開。長期の賃料保証をうたい会社員らの投資を勧誘した。ただ空き室を埋められず、1月に賃料の支払いを止めた。会社側弁護団によるとシェアハウスへの入居者は13日時点で57棟に341人。入居者がない物件も85棟あるという。