2018年4月20日(金)

進撃の「学生詣で」 企業が地方大学に熱視線
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就活
コラム(ビジネス)
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2018/4/17 6:30
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 地方学生は就職活動に不利――。そんな定説がくつがえりそうだ。首都圏の企業が地方学生に猛烈にアプローチしている。「学生詣で」で優秀な人材に目を付け、あの手この手で口説き落とすのだ。売り手市場を背景に、ネットを使った説明会や選考が広がっていることも地方採用に拍車をかけている。

イラスト=強矢さつき

イラスト=強矢さつき

 「チャンスかもしれない」。大分県別府市の山あいに立地する立命館アジア太平洋大学。4年生の渡辺咲紀さん(仮名)は、合同企業説明会の告知に胸を躍らせた。

 志望しているのは首都圏の企業。インターンシップや面接のたびに鉄道と飛行機を乗り継ぎ、半日がかりで上京する。実家は愛知県。都内に頼れる友人や親戚はおらず、交通費や宿泊費はかさむばかりだ。渡辺さんはすでに30万円ほど就活につぎ込んでおり、「これ以上はお金がかけられない」という思いが強まっていた。

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 大学の近くで開催された合説には、都内などから企業6社が参加。人事担当者が会社紹介をした後、参加学生によるグループディスカッションが開かれた。渡辺さんのグループには外国人留学生もいたが、得意の英語で議論をまとめ上げた。その様子を見た4社の人事担当者から面談を受けた。

 そのうちの1社、訪日客など向けにハイヤーを運行するアウテック(東京・品川)から後日「ぜひ最終面接に来てほしい」と声をかけられた。

 指定された面接日には所要があったが、相談するとアウテック側は日程変更を快諾し、渡辺さんの都合がいい週末に担当者が休日出勤して面接してくれることになった。こうして渡辺さんは内定を獲得したが、様々な配慮に感激したという。

 アウテックは学生に英語力を求めていた。もちろん首都圏の学生にも人材は多いが、大手志向が強まり、「リクナビやマイナビなどの情報サイトに広告を出しても、なかなか学生が集まらなかった」という。そこで採用支援のグローアップ(東京・新宿)を通じて地方の合説に参加したのだ。

 立命館アジア太平洋大は学生の半分が外国人留学生で、日常的に英語が飛び交う。しかも「地方学生の多くは運転免許を持っている」こともアウテックにはプラス材料だった。同社は業務上、運転免許は必須だが、首都圏では最近は持っていない学生も多いためだ。

■全国行脚でスカウト

 電子機器や放送用機器などを手掛ける日放電子(東京・千代田)も地方大学に注目している。「地方には旧帝国大学もある。中には東京大学や京都大学に行ける能力がありながら、事情があって地元国公立大に進学した優秀な学生も多い」。人事担当の藤田欣也さんはこう狙いを明かす。

 藤田さんは1人で全国各地を飛び回っている。学生が訪れやすいように大学の近くにある貸会議室を借り、説明会を開催。その場で適性検査や筆記試験も実施する。

 そして、これはという人材が見つかった場合は、同社の川崎市の拠点に呼び寄せ、社長面接を受けてもらう。面接はこの1回のみだ。学生が首都圏での宿泊先に困っている場合は社員寮を提供するなど支援は惜しまない。こうして18年春入社では地方学生を中心に10人を採用。今年は倍以上の「20~25人程度を確保したい」と強気だ。

立命館アジア太平洋大学で開かれた合同説明会(大分県別府市)

立命館アジア太平洋大学で開かれた合同説明会(大分県別府市)

 新卒採用支援のサポーターズ(東京・渋谷)の調査によると、関東地方の学生が就活にかける費用(交通費、飲食費、リクルートスーツなど)は平均12万円台だったのに対し、地方の学生は18万円台と約6万円も高い。

 地方大学は大学の数も限られるため、首都圏のように、他大学の学生との交流から情報を得るような機会も少ない。

 一方で、企業の採用意欲は強まっている。リクルートホールディングスの調査によると、19年卒向けに「採用を増やす」と答えた企業数は15.8%。18年卒向けに比べて2.3ポイント上昇している。

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