2019年6月17日(月)

RIZAP 湘南ベルマーレ買収に死角はないか

2018/4/14 6:30
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RIZAPグループはサッカーJ1の湘南ベルマーレの経営権を取得し、サッカークラブの運営に参入する。ここ数年本業のフィットネス関連事業を軸に積極的なM&A(合併・買収)を繰り返し多角化を進めてきた。2020年の東京五輪を控え一層高まるスポーツ需要を好機と捉え、スポーツ事業への本格進出と既存事業との相乗効果でさらなる成長を目指す。

サッカーJ1湘南の経営権取得を発表するRIZAPグループの瀬戸健社長(6日午後、東京都新宿区)

サッカーJ1湘南の経営権取得を発表するRIZAPグループの瀬戸健社長(6日午後、東京都新宿区)

4月6日に都内で開いた記者発表会の場で、RIZAPグループの瀬戸健社長は「スポーツ関連分野は成長の余地が大きい」と話した。東京五輪や健康志向の強まりで消費者の運動への注目度は高まっており、同社はスポーツ事業を新たな成長領域として投資を集中する。

RIZAPグループはこれまでアパレル、広告、雑貨、食品など幅広い分野でのM&Aをおこない、事業の多角化を進めてきた。一見するとこれまで主力事業として展開していたボディーメイク事業や美容健康関連事業との相乗効果がどう発揮されるのかがわかりにくいとの声もあるが、すべては「自己実現」に関連する事業ばかりという。

やせてきれいになった人はやせた体に似合う服や、体を維持するための食事などより良い物を求めるようになる。それらを提供できるようになれば、ビジネスチャンスは大きいというわけだ。

今回のベルマーレの経営権取得で、スポーツやダイエットへの志向が強い顧客をベルマーレの観客として取り込み観客数を増やすだけでなく、ベルマーレのファンに自社サービスを利用してもらうことで相乗効果を発揮できると見ている。

またベルマーレの選手の体の情報やプレーに関するデータをビッグデータとして蓄積することでトレーニングウエアなど今後の商品開発にもつなげていきたい考えだ。

同社は「18年度は月1件のペースでM&Aをやっていきたい」(瀬戸社長)としている。2月にCD販売の「新星堂」を展開するワンダーコーポレーション、3月にフリーペーパー発行のサンケイリビング新聞社(東京・千代田)を買収した。

RIZAPの急成長は瀬戸社長の強烈な個性とリーダーシップに負うところが大きい。ただすべてを個人が仕切るには限界もある。経済情勢が変転すると相乗効果を生み出せず、内部対立を招く危うさもはらむ。

瀬戸社長もこうしたリスクを予兆してか自身の片腕となる人材を積極的にスカウトしてきた。「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの元最高情報責任者(CIO)でRIZAPでも情報技術部門を統括する岡田章二氏や、100円ショップ「ダイソー」を運営する大創産業(広島県東広島市)で物流や購買部門を率いた内藤雅義氏などを招き入れ、経営体制を強化してきた。

さらなる拡大に備え創業理念の浸透やコーポレートガバナンス(企業統治)などの組織力をいかに鍛えるかが課題となりそうだ。(企業報道部 下野裕太)

[日経産業新聞 2018年4月10日付]

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