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官民ファンド6つで損失、検査院が指摘 再編議論も

会計検査院は13日、政府の成長戦略の推進役としてつくられた官民ファンドの投資損益を調べたところ、2017年3月末時点で全体の4割強にあたる6つが損失を抱えた状態になっていると発表した。官民ファンドの財源の多くが公的資金であることを踏まえ「収益性の確保に留意して(投資先の)支援を実施すべきだ」と指摘した。

官民ファンドの大半は12年末の安倍政権発足後に各省庁が主導して誕生した。ベンチャー支援や日本文化・インフラの輸出促進といった政策目的を掲げ、企業や事業に投融資する。保有株の売却などで最終的には各ファンドごとに利益を確保することを目指している。

検査院は今回、14ある官民ファンドに対して初めて横断的な検査を実施した。各ファンドの個別の投融資額や回収額を調べ、投資中の案件については出資先の純資産などをもとに時価評価額を独自に試算した。その結果、17年3月末時点では6つのファンドで回収額と保有株などの評価額の合計が投融資額を下回り、損失状態となっていた。

このうち海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)は17件、約310億円の投融資で約44億円の損失が生じていた。大学発ベンチャーを支援する官民イノベーションプログラムも4事業合計で約13億円のマイナス。農林漁業、インフラ輸出を支援する各ファンドのほか、中小企業基盤整備機構と科学技術振興機構(JST)のファンドも損失となった。

最大の産業革新機構は114件を手がけ、1兆2483億円の利益となった。半導体大手ルネサスエレクトロニクスの含み益が大きいとみられるがベンチャー投資は多くの案件で苦戦している。

保有株の時価は企業の成長やファンドの支援の巧拙次第で今後大きく変動する可能性があり、新規の投資案件も増えていく。検査院も「損益を評価するには早い段階」と言及しているが、あえて公表したのは各ファンドが10~20年程度の設置期間を終えるまで、運用実態が外部から見えないまま損失を膨らませるリスクを防ぐ狙いがある。

政府は革新機構の期限を34年3月末まで9年間延長し、他の官民ファンドを傘下に置けるようにする組織改編を準備している。同じ経済産業省所管のクールジャパン機構との統合を視野に入れるが、今後は省庁をまたぐ再編も含め、苦戦するファンドの整理や統廃合が課題になりそうだ。

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