神鋼子会社、3月下旬に発電所を一時停止 設備不具合でばいじん基準超過

神戸製鋼所の発電事業子会社、コベルコパワー神戸(神戸市)は13日、同社の火力発電所「神戸発電所1号機」が3月23日から一時停止していたと発表した。設備の不具合により、ばいじん濃度が神戸市が定める大気汚染の基準値を上回ったため。国の大気汚染防止法の基準値(0.1グラム)は下回っていた。
同発電所はもともと4月1日から7月15日まで定期検査を予定しており、現在も停止中。コベルコパワー神戸は13日、一連の状況をまとめた最終報告書を神戸市に提出した。
3月20日に実施した定期測定では、ばいじん濃度が1N立方メートル(ノルマルリューベ=標準状態での気体の体積)あたり0.011グラム。神戸市の基準値(0.01グラム)を超えたため、神戸市との環境保全協定に基づいて3月23日に停止した。
発電設備内で一部の機械に腐食があり、煙を運ぶダクト(配管)の床に鉄さびが堆積していた。基準値を上回った原因はばいじんを測定中、この鉄さびが混入したためという。再発防止策としてダクトの床面を清掃したほか、機械の腐食部分を定期検査中に補修する。
コベルコパワー神戸が神戸市の環境保全協定に基づいて発電所を止めるのは約10年ぶり。07年12月、装置の電源を止める操作ミスにより、窒素酸化物濃度が急激に上昇し、発電所を一時停止したことがある。
コベルコパワー神戸は神戸市で火力発電所2基を運営しており、売電事業を手掛けている。発電出力は合計で140万キロワット。