2018年7月20日(金)

香港ドル、35年ぶり安値 中銀、下限維持で初めて介入

2018/4/13 13:57
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 【香港=木原雄士】外国為替市場で12日、香港ドルが一時1米ドル=7.85香港ドルまで下落し、約35年ぶりの安値をつけた。米利上げに伴う金利差拡大が主因。中銀に相当する香港金融管理局は12日夜、香港ドル買い・米ドル売り介入に踏みきった。対米ドル相場を一定の範囲内に抑えるペッグ制の導入後、下限維持のための介入は初めて。市場で香港ドル安圧力は強く、当局は通貨防衛に追われそうだ。

 香港金融管理局によると、12日のロンドン市場の取引時間帯に8億1600万香港ドル(約112億円)相当の香港ドルを市場から買い入れた。これにより、当面の介入原資は1790億香港ドルに減ったという。

 香港は2005年に1米ドル=7.75~7.85香港ドルに抑えるペッグ制を導入した。陳徳霖(ノーマン・チャン)総裁は介入について「ペッグ制に基づいた正常な行動だ。香港ドルの安定を維持し、大規模な資金の流れに対応する十分な能力がある」と強調した。

 香港ドル安の背景には米国との金利差拡大がある。香港は米利上げにあわせて銀行向け貸し出しの基準金利を引き上げてきたが、市場金利がなかなか上がらない。中国本土からの投資意欲が旺盛で、市場に潤沢な資金が出回っているためだ。低利の香港ドルを調達して米ドル建ての金融商品に投資するキャリー取引が活発だ。

 金融市場では金利差を手掛かりに香港ドル売り・米ドル買いの動きが続くとの見方が根強い。当局が金利差を縮めるため一段と引き締め的な金融政策を導入するとの観測も浮上する。潤沢な投資マネーに支えられ、一部でバブルとの指摘もある不動産市場に影響が及ぶ可能性もある。

 長い目で見ると、中国経済と結びつきを強める香港が、通貨をドルに連動させる矛盾がある。ペッグ制維持に向けた当局のかじ取りは難しさを増す。

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